盲導犬といえば「ラブラドール・レトリバー」を思い浮かべる方が多いですが、実は活躍している犬種は他にもたくさん。
この記事では2025年最新の盲導犬犬種ランキングや、あまり知られていない珍しい犬種まで徹底解説!
犬種選びの深い理由や、現役で活躍する犬たちの秘密を、楽しく詳しく紹介していきます。
盲導犬=ラブラドールだけではない?犬種選びの奥深い世界
「盲導犬」と聞くと、多くの方がラブラドール・レトリバーを思い浮かべるかもしれません。
実際、街で見かける盲導犬の多くがラブラドールですが、それは決して偶然ではありません。
しかし近年、日本国内はもちろん世界でも、ラブラドール以外の犬種も数多く活躍しています。
なぜラブラドールが選ばれやすいのか?
そして、それ以外の犬種も選ばれる理由とは?
この記事を読み進めることで、盲導犬の「犬種選び」の奥深い世界にぐっと近づくことができるでしょう。
「ラブラドールだけじゃない」盲導犬たちの魅力を、ぜひあなたも発見してみてください!
ラブラドール・レトリバーが盲導犬で多いワケ
街角や駅で活躍するラブラドール・レトリバー。
この犬種が盲導犬として圧倒的な人気を誇るのは、ただ単に「有名だから」ではありません。
柔和な顔立ちや、垂れ耳による親しみやすい雰囲気は、公共の場でも周囲に圧迫感を与えにくく、誰からも受け入れられやすい存在です。
また、彼らは学習能力が極めて高い上に、状況ごとに気持ちの切り替えがとても上手。
遊ぶときは思いっきり甘え、仕事モードではきちんと集中して歩行サポートをこなす、このON/OFFのスイッチ力が、実は盲導犬としての成功の秘訣となっています。
多様化する盲導犬犬種、その理由とは?
近年、ラブラドール以外の犬種も盲導犬として活躍するようになりました。
ユーザーの体質や生活スタイルの多様化、社会のニーズの変化もあり、犬種選びも柔軟に。
たとえばアレルギー体質の方に合わせてプードル種が選ばれたり、寒冷地では大型犬や被毛が特別な犬種が選ばれるなど、一人ひとりのパートナーとして最適な個体が選ばれる時代になっています。
また、犬たち自身もそれぞれ個性的で、同じ犬種でも性格は千差万別。
「犬種」だけでなく「個体ごとの性格や適性」が重視されているのも、現代の盲導犬事情の大きな特徴です。
犬種選びの裏側にあるプロのこだわり
盲導犬を育成するプロのトレーナーや団体は、犬種の特性と個々の性格の両方を徹底的に観察します。
一見、温和で人懐こいだけの犬が向いているように思えますが、実際には「見知らぬ場所でも動じない」「長距離歩行でも疲れにくい体力」「どんな人とも信頼関係を築ける社会性」など、多くの条件を総合的に判断しています。
また、近年はユーザーの身体条件や生活環境がさらに多様化しているため、「犬種で決まる」時代から「個体のマッチング重視」へと変化しています。
あなたが次に街で盲導犬を見かけた時、その犬の「個性」にもぜひ注目してみてください。

【適性重視】日本で活躍する盲導犬の犬種ランキングTOP3
ここからは、単なる人気度や知名度ではなく「盲導犬としての適性」を重視した、日本国内の現場に基づく最新ランキングを紹介します。
どの犬種がどんな理由で選ばれ、多くの視覚障害者のパートナーとして活躍しているのか、実際のエピソードや特徴を交えて詳しくお伝えします。
1位:不動の信頼性と適応力「ラブラドール・レトリバー」
盲導犬犬種ランキングの圧倒的第1位をキープし続けているのがラブラドール・レトリバーです。
彼らの最大の魅力は、「状況適応力」と「信頼性」にあります。
柔らかく優しい顔立ちや垂れ耳によって、初対面の人にも威圧感を与えません。
それだけでなく、周囲の環境が変わっても落ち着いて行動できるため、繁華街や駅など人混みでもしっかりとユーザーを導きます。
また、仕事と遊びの切り替えが抜群に早いため、休憩中は甘えん坊でリラックス、仕事が始まればピシッと集中する姿が印象的です。
学習能力が高く、人の指示を素早く理解して行動に移せるため、全国で最も多くの盲導犬がラブラドールであるのも納得です。
さらに、体重約25~35kgの中型~大型サイズで、長距離の歩行サポートにも十分な体力と持久力を持っています。
こうした万能型の特性が、長年にわたり「信頼の盲導犬」として愛される理由です。
2位:それぞれの良さを掛け合わせた「F1(ラブラドール×ゴールデン)」
最近注目されているのが、「F1(一代雑種)」と呼ばれるラブラドール・レトリバーとゴールデン・レトリバーのミックス犬です。
この組み合わせは、ラブラドールの短毛でお手入れがしやすい点と、ゴールデン・レトリバーの温和で愛情深い性格という、それぞれの長所を引き継ぎます。
また、遺伝的な多様性が高まることで、遺伝疾患のリスクが減りやすいという利点も。
個体によっては「ラブ寄り」「ゴールデン寄り」など性質に違いは出ますが、両犬種に共通する高い学習能力・忠実さ・体力をしっかり受け継いでいるため、近年では育成現場でも採用が進んでいます。
見た目も個性的で、「新しい時代の盲導犬」として注目度急上昇中。
特に、日本国内の一部盲導犬育成団体ではこのF1タイプの導入事例が増えており、今後ますます活躍が期待される犬種です。
3位:人と作業することが大好き「ゴールデン・レトリバー」
第3位は、ゴールデン・レトリバー。
美しい金色の被毛と温厚な性格、家庭犬としても人気の高いこの犬種ですが、「人に寄り添う力」は群を抜いています。
どんな相手にも優しく、ユーザーの心に寄り添う深い共感性を持つため、精神的なサポート力は随一。
また、大型犬ならではの安定した歩行サポートも大きな強みで、特に身体に力を必要とするユーザーには欠かせない存在です。
欠点としては、被毛が長いためお手入れの手間がかかること、換毛期の抜け毛対策が必要なことが挙げられますが、それを補って余りあるほどの優しさと作業意欲を備えています。
ゴールデン・レトリバーは、「人と一緒に何かをするのが大好き」という強い気持ちを持ち、ユーザーとの絆がより深まりやすい犬種です。
世界や歴史で見ると意外!「珍しい」盲導犬の犬種たち
実は盲導犬の世界は、ラブラドール・レトリバーやゴールデン・レトリバーだけではありません。
歴史を振り返れば、時代や国ごとに「意外な犬種」が盲導犬として選ばれてきた背景もあります。
ここでは、日本ではあまり見かけない珍しい盲導犬の犬種や、その理由、さらに海外や歴史に根付く特別な存在まで、幅広くご紹介します。
知れば思わず「へぇ~!」と言いたくなる盲導犬のバリエーション、その魅力に迫ります。
アレルギー体質のユーザーを救う「スタンダード・プードル」
近年、アレルギーを持つ方のニーズに応えるため、スタンダード・プードルが盲導犬として選ばれる機会が増えています。
プードルといえば「小型犬」を思い浮かべる方が多いですが、盲導犬に採用されるのは「スタンダード」サイズ。
この犬種は毛が抜けにくい特性があり、抜け毛によるアレルギー発症のリスクを最小限に抑えることができます。
また、非常に知能が高く、複雑な指示を正確に理解できる点や、運動能力の高さも見逃せません。
「賢くて、アレルギーにも配慮できる」新しい時代の盲導犬として注目を集めているのがスタンダード・プードルなのです。
見た目もふわふわで可愛らしく、盲導犬として歩く姿は街中でも目を引く存在になるでしょう。
かつての主力、現在は少数精鋭「ジャーマン・シェパード」
ジャーマン・シェパードは、実は世界初の盲導犬として訓練された歴史を持つ犬種です。
第一次世界大戦後のドイツで、戦争で視覚を失った兵士のパートナーとして大きな役割を果たしてきました。
知能と忠誠心が非常に高く、危険察知や警戒心にも優れ、身体障害のある視覚障害者のサポートにも長けています。
しかし、日本では「警察犬」イメージや体格の大きさ、見た目の威圧感などの理由から、盲導犬として選ばれるケースは減少傾向です。
それでも、ユーザーの体格やサポート内容によっては今なおシェパードが選ばれ続けている現実も。
「少数精鋭」の活躍を続けるジャーマン・シェパード。
実際に見かけることができたら、とてもラッキーな体験と言えるでしょう。
海外で活躍する「バーニーズ・マウンテン・ドッグ」等の大型種
日本ではあまり知られていませんが、バーニーズ・マウンテン・ドッグや、グレート・ピレニーズ、ニューファンドランドといった大型犬も、海外では盲導犬として働くことがあります。
寒冷地や山岳地帯では、体力や被毛の特性が求められるため、こうした犬種が選ばれることも。
特にスイスや北欧の一部では、力強い歩行サポートや耐寒性が重視され、バーニーズが頼もしいパートナーとして採用されています。
このように、地域性や生活環境に応じた「ご当地盲導犬」の存在も、世界の盲導犬文化をより豊かにしています。
【番外編】なぜ柴犬や秋田犬は盲導犬になれないのか?
日本生まれの柴犬や秋田犬は、見た目も可愛く人気犬種ですが、盲導犬として活躍することはほとんどありません。
その理由は「ワンオーナードッグ」と呼ばれる、日本犬ならではの特性にあります。
これは、飼い主(オーナー)に対して非常に強い忠誠心を持つが、他人に対しては距離を置きやすいという性質のこと。
盲導犬には、ユーザーが変わっても適応できる柔軟性や、誰とでもフレンドリーに接する社会性が求められます。
また、柴犬や秋田犬は独立心が強く、指示よりも自分で判断したがる傾向があるため、訓練の難易度も高め。
このような特性の違いから、日本犬が盲導犬として選ばれることはほぼありません。
盲導犬には「みんなと仲良くなれる資質」も大切な条件なのです。
盲導犬に向いている犬だけが持つ「3つの絶対条件」
「どの犬でも訓練さえすれば盲導犬になれる」と思っていませんか?
実は、盲導犬として活躍できる犬には、選ばれた特別な資質があります。
ここでは、どんな犬種・珍しいタイプにも共通して求められる「3つの絶対条件」を、分かりやすく解説します。
この条件をクリアした犬たちだけが、街で誇り高く歩く「盲導犬」となれるのです。
1. 攻撃性がなく、人や他の動物に動じない社会性
まず、盲導犬に必須なのが攻撃性のなさと、抜群の社会性です。
どんなに訓練が優秀でも、他の犬や人に対して攻撃的な一面がある犬は、公共の場での活躍が難しくなります。
また、日々さまざまな人や音、車、動物に囲まれて歩くため、パニックに陥らず、冷静に対処できる神経の太さも重要。
社会性が高い犬は、初めて会う人や、騒がしい場所、予想外の出来事にも大きく動じません。
この「動じなさ」「温厚さ」「優しい性格」が、ユーザーだけでなく、周囲の人々にも安心感を与えてくれるのです。
だからこそ、盲導犬に選ばれる犬はみな「世界一のジェントルマン」といっても過言ではありません。
2. ユーザーの歩行を支えられる適切なサイズ(体高・体重)
盲導犬には、見た目のかわいさや賢さだけでなく、しっかりとユーザーを支える体格も求められます。
具体的には、体高約55cm前後、体重25~35kgほどの中~大型犬が主流。
体が小さすぎると、歩行中にリードが張ったときユーザーをしっかり誘導できなかったり、反対に大きすぎると制御しにくくなってしまいます。
適切なサイズは、ユーザーが安心して体重を預けたり、階段や障害物の誘導にも重要なポイント。
また、長時間歩行にも耐えうる体力や筋力も不可欠です。
この理由から、小型犬や極端に大型な犬種は盲導犬になりにくいのです。
まさに「ちょうどいいサイズ感」が、盲導犬のパートナーに求められる条件なのです。
3. 良い意味での「鈍感力」と環境適応能力
最後のポイントは、「良い意味での鈍感力」と、あらゆる環境に対応できる柔軟性です。
盲導犬は、日々さまざまな刺激(大きな音、人混み、見知らぬ匂い、急な天候変化など)にさらされます。
こうした刺激に対して、過剰に反応せず、自分のペースと集中をキープできる犬が盲導犬として活躍できます。
例えば、道端で突然子どもが触ってきても驚かず、花火やサイレンの音にもパニックにならない「どっしりした神経」が必要です。
さらに、ユーザーが変わったり新しい環境に行っても適応できる力も大切。
この「鈍感力」と「適応力」が、ユーザーの安全と安心を支える最大のカギとなっています。
単なる「賢さ」や「かわいさ」だけでは決して選ばれない理由が、ここにあるのです。
実際に盲導犬やPR犬に会える!応援できる施設・スポット
盲導犬たちの魅力をもっと知りたくなったら、ぜひ「会いに行く体験」をしてみましょう!
全国には、盲導犬の訓練現場を見学できる施設や、引退した盲導犬たちとふれあえる場所がいくつも存在します。
ここでは、家族や友達と一緒にお出かけできるおすすめスポットを厳選してご紹介!
実際に見て、触れて、学ぶことで、あなたの盲導犬への応援の気持ちもますます大きくなるはずです。
日本盲導犬総合センター「富士ハーネス」(静岡県富士宮市)
日本盲導犬総合センター「富士ハーネス」は、日本国内で唯一、盲導犬の訓練や生活風景を常時見学できる専門施設です。
広大な敷地の中には、トレーニング中の盲導犬たちや、引退犬、さらにはパピー(子犬)まで、さまざまな年齢・犬種の犬がのびのびと暮らしています。
見学コースでは、実際の訓練デモンストレーションや、盲導犬の仕事について楽しく学べるプログラムも用意。
運が良ければ、子犬たちの可愛い遊び風景や、ベテラン犬の見事な誘導スキルも間近で体験できるかも。
施設内では、オリジナルのチャリティグッズやカフェもあり、気軽な支援体験も楽しめます。
家族みんなで気軽に訪れ、盲導犬たちのリアルな日常を応援してみましょう。
公益財団法人 北海道盲導犬協会(北海道札幌市)
雪国ならではの訓練や活動を見学したいなら、北海道盲導犬協会がおすすめ。
この施設では、雪道や凍結路面を歩くための特別な訓練や、北海道ならではの自然環境で活躍する盲導犬たちの様子を見学できます。
定期的に開催される「見学会」や「体験イベント」では、スタッフが訓練や犬種ごとの違いを丁寧に解説。
時には引退犬やパピーとのふれあいもあり、盲導犬への理解がグッと深まるひとときを過ごせます。
遠方からの旅行先にもぴったり。
北海道旅行の際はぜひ立ち寄って、現地ならではの盲導犬支援を体験してみてください。
関西盲導犬協会(京都府亀岡市)
関西盲導犬協会が運営する「木香テラス」は、自然豊かな環境の中で盲導犬たちが訓練を重ねている施設です。
指定日には一般向けの見学会やイベントも開催され、トレーナーの指導風景や、ユーザーさんと盲導犬の「共同歩行体験」など、他ではできない貴重な学びの場となっています。
京都観光と組み合わせて楽しめるので、ご家族や友人と気軽に参加できる点も魅力。
また、施設ではチャリティグッズの販売や募金活動も盛んに行われているので、「ちょっと応援したい」という気持ちをカタチにできます。
街中の「募金箱」や「チャリティグッズ」も立派な支援
「施設まで遠い…」という方も大丈夫!
全国の駅やショッピングモール、スーパーなどには、盲導犬育成支援のための募金箱やチャリティグッズの販売コーナーが設置されています。
たとえ数百円の募金や小さなキーホルダーの購入でも、その一歩が盲導犬育成の大きな力になります。
また、各協会の公式サイトではネット通販やイベント情報も随時更新中。
気になったら、まずは「できる範囲の応援」からスタートしてみましょう。
一人ひとりの応援が、未来の盲導犬とユーザーさんの笑顔につながります。

まとめ:犬種の違いを知れば、盲導犬への理解がもっと深まる
ここまで盲導犬の犬種ランキングや珍しい犬種、そして盲導犬に選ばれるための絶対条件や現場のリアルまで、たっぷりとご紹介してきました。
一見、「盲導犬=ラブラドール」と思われがちですが、実際にはユーザーの多様なニーズや社会の変化に合わせて、さまざまな犬種が活躍しているのが現実です。
ラブラドールやゴールデン・レトリバーのような「王道」の犬種はもちろん、プードルやF1タイプ(ラブラドール×ゴールデン)など、個性豊かな盲導犬たちも次々と誕生しています。
どの犬も「犬種ありき」ではなく、最終的には「個体の性格」「適性」「社会性」が一番大事。
訓練士や育成団体が一頭一頭にしっかり向き合い、その犬の個性が最大限に発揮できるパートナーシップが生まれているのです。
盲導犬とユーザーの「最高の出会い」は犬種を超える
実際に盲導犬として歩く犬たちは、それぞれ異なる個性を持ちながら、ユーザーの安全と自立した生活をサポートしています。
犬種の違いは「はじまり」にすぎません。
本当に大切なのは、その犬とユーザーがどれだけ信頼と絆を築けるか。
盲導犬育成の現場では、性格や資質を最大限に活かす「マッチング」が何よりも重視されているのです。
珍しい盲導犬を見かけた時は、温かいまなざしを
街でスタンダード・プードルやジャーマン・シェパード、あるいは見慣れない犬種の盲導犬に出会ったら、「どうしてこの犬が?」と驚く方もいるかもしれません。
そんな時は、「ユーザーや環境に合わせて最適なパートナーが選ばれているんだな」と、温かく見守ってあげましょう。
また、盲導犬は「仕事中」なので、触ったり声をかけたりせず、そっと応援するのがマナーです。
あなたにもできる小さな支援が、未来の盲導犬をつくる
盲導犬育成には多くの時間と費用、そして多くの人の支えが必要です。
募金やチャリティグッズの購入、体験イベントへの参加など、あなたにも「できる支援」がきっと見つかります。
盲導犬の活動や犬種の多様性についてもっと知りたくなったら、施設見学やネットの情報もぜひ活用してみてください。
私たち一人ひとりの理解と応援が、視覚障害者と盲導犬の明るい未来につながっていくのです。

