犬にエビは食べても大丈夫?生・殻・アレルギーの注意点や安全な与え方を徹底解説!
ぷりぷり食感と濃厚なうま味が人気のエビ。
エビフライや天ぷら、炒め物など、私たちの食卓でも大活躍の食材ですね。
キッチンから香ばしいエビの香りがすると、愛犬も「ちょうだい!」と熱い視線を送ってくることが多いはず。
「犬にエビはあげても大丈夫?」と迷ったことのある飼い主さんも多いのでは?
この記事では、犬にエビを与えてもよいのか・与え方の注意点・アレルギーリスクから簡単レシピまで、詳しく・楽しく解説します。
結論:加熱して殻をむけば少量ならOK!生と殻は絶対NG
まず大前提として、エビは「生」と「殻・尻尾」は犬に絶対NGです。
その理由は、生エビにはビタミンB1を分解する酵素「チアミナーゼ」が含まれており、食べるとビタミンB1欠乏症や神経症状を引き起こす危険性があるから。
また、硬い殻や尻尾は喉や消化器官を傷つけたり、詰まらせて腸閉塞のリスクもあるので絶対にNG。
一方で、しっかり加熱して殻や尻尾・背わたを取り除けば、エビは犬にとって高タンパク&低脂肪なご褒美食材になります。
与える時は味付けを一切せず、必ず「茹でる」「蒸す」など油を使わずに加熱調理を。
そして与える量はごく少量だけ・初めての場合は特に少量からスタートが大原則です。
アレルギーや消化不良のリスクもあるので、食後はしっかり体調観察を忘れずに!
犬がエビを食べるメリット|高タンパク・低脂肪な栄養源
「エビって犬にも本当にいいの?」と感じる飼い主さんも多いかもしれません。
実はエビは、上手に使えば犬の健康にも役立つ「栄養豊富な低脂肪食材」なのです。
以下ではエビに含まれる主な栄養素と、その効果について詳しく解説します。
良質なタンパク質:筋肉や皮膚、被毛の健康を維持します。
エビは可食部100gあたりタンパク質21.7gと非常に高タンパク。
タンパク質は筋肉や血液、被毛・皮膚・爪など体のさまざまな部分を作るもとになる栄養素。
特にシニア期や、食が細いワンちゃんの「ご褒美トッピング」としても役立ちます。
しかも低脂肪(100gあたり0.3g)・低カロリー(100gで89kcal)なので、体重が気になる犬にも比較的安心です。
ただし、総合栄養食(ドッグフード)が基本ですので、必ず「おやつ程度」「トッピングで少量」に抑えましょう。
タウリン:心臓や肝臓の機能をサポート
エビやイカ、貝類に多い「タウリン」はアミノ酸の一種で、心臓・肝臓の働きを助け、コレステロール低下や動脈硬化の予防にも関与すると言われます。
犬は本来体内でも合成できる栄養素ですが、年齢や体調によっては不足しやすくなるため、トッピングとして少量補うのはプラス効果が期待できます。
ビタミンE:抗酸化作用でアンチエイジング
ビタミンEは細胞の酸化ダメージを抑え、アンチエイジングや免疫力向上、血管の健康維持に役立つ栄養素。
エビは特にビタミンEを含むので、シニア犬や皮膚の健康が気になる犬にもおすすめ。
毎日大量に与える必要はなく、ドッグフード+αで少しだけ食卓に彩りを添えるイメージで楽しみましょう。
アスタキサンチン:エビの赤い色素で強い抗酸化作用
エビの赤い色素である「アスタキサンチン」は、ビタミンE以上に強力な抗酸化作用を持つことで知られています。
活性酸素を取り除き、細胞の老化やダメージを防ぐ働きが期待できます。
とくにエビやカニの殻・身に多く含まれますが、犬に与える時は「殻は取り除き、身だけ」を厳守してください。
【最重要】犬にエビを与える際の3大リスク
エビは「調理の仕方・与える量・犬の体質」によっては、大きな健康リスクを招くこともある食材です。
ここでは、愛犬にエビを与える前に必ず知っておきたい「3つの重大なリスク」について詳しく解説します。
①生のエビによるビタミンB1欠乏症
生のエビには「チアミナーゼ」という酵素が含まれていて、これは犬の体内でビタミンB1(チアミン)を分解・破壊してしまいます。
これが長期間続くと、「ビタミンB1欠乏症」という深刻な症状を引き起こします。
主な症状は、食欲不振・元気消失・嘔吐・ふらつき・けいれん・神経障害など。
最悪の場合は命に関わることもあるため、生のエビは絶対に与えないようにしましょう。
なお、チアミナーゼは70℃以上で加熱することで効力を失います。
②エビの殻や尻尾による消化器へのダメージ
エビの殻や尻尾はとても硬く、犬の消化器には適していません。
そのまま飲み込んでしまうと、喉や食道・胃腸を傷つけたり、消化できず詰まらせて腸閉塞を起こす危険性があります。
また、天ぷらやエビフライの「しっぽ」も同じ理由でNG。
エビの身以外は必ず取り除き、細かく刻んでから与えるよう徹底してください。
③甲殻類アレルギー
エビやカニ、イカなどの甲殻類アレルギーは、犬にも人間同様に存在します。
エビに含まれる「トロポミオシン」というタンパク質がアレルギーの原因になりやすいです。
アレルギー症状は、皮膚のかゆみ・発疹・嘔吐・下痢・顔の腫れ・体温低下などが多く、重度の場合は呼吸困難やショック症状になることも。
「エビを初めて与える」場合は、必ずごく少量からスタートし、食後数時間は体調や皮膚をよく観察しましょう。
異変があればすぐ動物病院へ連絡を。
犬への安全な与え方と適量
「うちの子にエビをちょっと食べさせてみたい」という場合は、正しい下処理・調理・適量を守ることがとても大切です。
ここでは、愛犬がエビを安全に食べられる与え方と量について、詳しくポイントを解説します。
【必須】殻・背わた・尻尾を取り、必ず加熱する
エビの殻・尻尾・背わたは必ず取り除いてから調理してください。
殻や尻尾は消化に悪く、喉や腸に詰まるリスクも。
背わた(黒い筋)はエビの腸にあたり、臭みや雑菌の元になるので、包丁や爪楊枝で丁寧に取るのが安全です。
調理は「茹でる」「蒸す」など油を使わず、しっかり火を通すのが鉄則。
味付けは一切せず、人肌程度に冷ましてから与えましょう。
喉に詰まらせないよう細かく刻む
特に小型犬・シニア犬・子犬には、大きなまま与えず細かく刻んでください。
やわらかく茹でて細かく切ることで、喉や消化管に詰まりにくくなり安心です。
「ごはんのトッピング」や「ペースト状」もおすすめ。
初めてのエビは、ほんのひとかけら程度からスタートして、食後は体調変化をよく観察しましょう。
適量はごく少量のおやつ程度に
エビは消化にやや負担がかかる食材なので、「おやつ」「トッピング」程度にとどめましょう。
目安は体重5kgの小型犬で、茹でたエビ1尾(約12g)程度まで。
中型犬は2~3尾、大型犬は5尾ほどまでが上限目安。
与えすぎると下痢や嘔吐、肥満・消化不良のリスクがあるので、総合栄養食(ドッグフード)を主食とし、エビはあくまで「時々のごほうび」感覚で与えてください。
【簡単レシピ】エビとブロッコリーの彩りジュレ
「せっかくなら、特別なご褒美や記念日に、ちょっとだけエビメニューを作ってあげたい!」
そんなときにおすすめの、犬も食べられる華やか&ヘルシーなエビレシピをご紹介します。
材料も作り方もとっても簡単。愛犬の食いつきもバッチリの一品です!
材料
・茹でエビ:1~2尾(必ず殻・尻尾・背わたを取り除き、しっかり加熱したもの)
・茹でたブロッコリー:少量(犬が普段から食べ慣れている場合)
・水:50ml
・粉ゼラチン:1g程度
作り方
1. エビとブロッコリーは細かく刻む。
2. 耐熱容器に水と粉ゼラチンを入れて混ぜ、電子レンジまたは鍋でしっかり溶かす。
3. 2に刻んだエビとブロッコリーを加えて混ぜ、型や小鉢に移して冷蔵庫で冷やし固める。
4. 完全に固まったら完成!
冷たいジュレは夏場の水分補給にもなり、ごほうび感たっぷりです。
レシピのポイント・注意点
ブロッコリーも加熱してから使いましょう。
味付けや油は一切不要、素材そのままの風味で十分OK。
エビは必ず新鮮なものを使い、ごく少量から試してください。
ゼラチンは与えすぎるとお腹をこわす場合があるので、分量通りで少量だけにしましょう。
ジュレが食べにくい場合は「ペーストや小さな寒天寄せ」などアレンジもおすすめです。
犬のエビに関するQ&A
エビは犬にとって「絶対NG」ではありませんが、与え方・部位・体質によってはトラブルになることも。
ここでは、飼い主さんがよく疑問に思うポイントをQ&A形式で詳しく解説します。
「うちの子は大丈夫かな?」と心配な方もぜひ参考にしてください。
えびせんべいやエビフライは与えてもいい?
人間用に味付け・油で調理されたえびせんべいやエビフライは絶対にNGです。
塩分・油分・添加物が多すぎ、犬の健康を害するリスクがあります。
また、フライの衣や調味料も消化に悪いので、犬用に特別な「無味・加熱済みエビ」を少量あげるだけにしましょう。
市販のエビ味スナックも避けてください。
子犬や老犬に与えても大丈夫?
子犬やシニア犬は消化機能が未熟・弱くなっていることが多いので、与える場合は特に慎重に。
ごく少量・柔らかく茹でて・細かく刻み、食後は便や体調をしっかり観察しましょう。
消化不良やアレルギー症状が出た場合はすぐ中止し、必要なら動物病院へ相談してください。
間違えて殻や尻尾を食べてしまったらどうする?
少量であれば便と一緒に出る場合が多いですが、繰り返し嘔吐・食欲不振・元気がない・便が出ないなど異常があればすぐ動物病院へ連絡を。
殻や尻尾はとても硬く、腸閉塞など重い症状になることもあるので、様子見にせず早めの対応が大切です。
誤食を防ぐためにも、キッチンやテーブルにエビの殻・尻尾を放置しないよう気をつけてください。
まとめ
今回は「犬にエビは食べても大丈夫?」という疑問について、獣医師監修の情報をもとに、リスク・メリット・正しい与え方・おすすめレシピまで徹底的に解説しました。
エビはしっかり加熱して殻・尻尾・背わたを取り除き、ごく少量なら犬にも楽しめるご褒美食材です。
ただし、生や殻付きのエビは絶対に与えず、アレルギーや消化不良のリスクにも注意が必要です。
与える時は味付けを一切せず、必ず様子を見ながら「ちょっとだけ」。
初めての時は特に、体調の変化に細かく気を配りましょう。
人間用の加工品(エビフライやえびせんなど)は、油分・塩分・添加物が多すぎるため犬には絶対NGです。
愛犬の健康を守りながら、特別なご褒美やイベントの時など、正しい知識で楽しくエビタイムを過ごしてください!