愛犬が急にブルブルと震え始めたら、誰でも心配になりますよね。
「寒いのかな?」「もしかして体調が悪いの?」と不安になってしまうものです。
でも実は、犬の震えにはたくさんの理由があり、元気があるかどうかでその危険度や対応も大きく変わります。
本記事では、犬が小刻みに震えるときの原因や対処法について、読みやすく、分かりやすく、そしてちょっと楽しく解説していきます。
気になる症状があった時、どう行動すれば良いかのヒントにもなるので、ぜひ最後までご覧ください!
目次
- これって緊急?犬の震えですぐに病院へ行くべき危険なサイン
- 【元気・食欲はある】犬が小刻みに震える4つの主な理由
- 【元気がない・ぐったり】病気の可能性が高い犬の震え
- 「震え方」や「タイミング」で原因を見極めるチェックポイント
- もし愛犬が震えだしたら?家庭での対処法と病院受診のコツ
- 犬の震えを予防するために日頃からできるケア
- まとめ:犬の震えは「元気の有無」と「その他の症状」で判断を
これって緊急?犬の震えですぐに病院へ行くべき危険なサイン
最初にチェックしたいのは、「今すぐ病院へ行くべき症状」がないかどうかです。
震えの原因を調べる前に、命に関わる可能性のある緊急サインを必ず確認してください。
もし以下のような症状が見られた場合は、できるだけ早く動物病院を受診しましょう。
- 呼びかけに反応しない、意識が朦朧としている
- 震えが止まらず、痙攣(けいれん)を起こしている
- 嘔吐、下痢、呼吸困難を併発している
- 明らかに痛がっている(キャンと鳴く、背中を丸める)
呼びかけへの反応・意識レベルをチェック
犬を呼んでも反応が鈍かったり、ふらついていたり、意識がもうろうとしている場合、重篤な神経障害や内臓疾患、急性の中毒などが考えられます。
こうした場合、家庭で様子を見るのは非常に危険なので、すぐに動物病院を受診してください。
特にけいれんや意識障害は、脳や神経系の病気の可能性が高く、一刻を争うケースもあります。
けいれんや止まらない震えに注意
小刻みな震えが徐々に強くなり、全身が硬直するような「けいれん」状態に移行した場合、てんかんや脳炎、中毒といった深刻な疾患が疑われます。
特に痙攣が数分以上続いたり、繰り返すときは、脳に大きな負担がかかり危険です。
また、犬の体が熱かったり、呼吸が荒いときも熱中症のリスクがあるため、早急な処置が必要です。
激しい痛み・嘔吐・下痢・呼吸困難が同時に見られるとき
痛みで体を丸めたり、動かなくなったり、抱っこを嫌がる場合は椎間板ヘルニアや急性の内臓疾患の恐れがあります。
また、震えとともに吐いたり下痢をしたり、呼吸が苦しそうな場合は、感染症や中毒症状、重い消化器系疾患も考えられます。
これらも自宅で安静にするだけでは危険なので、早めの受診が安心です。
【元気・食欲はある】犬が小刻みに震える4つの主な理由
愛犬が震えているけど、ごはんはしっかり食べているし、遊びにも元気!そんな場合は、緊急性の高い病気よりも生活の中の自然な反応であることが多いです。
ここからは、犬が元気で食欲もあるときによく見られる震えの原因を詳しく紹介します。
1. 寒さによる生理現象(シバリング)
寒い季節や冷房が効きすぎた部屋などで、犬が小刻みに震えているのを見たことはありませんか?
これは「シバリング」と呼ばれる体温調節のための自然な反応で、人間が寒さでぶるっと震えるのと同じ仕組みです。
特にシングルコート(被毛が1層のみ)の犬種や、チワワ、トイプードル、イタリアングレーハウンドなどの小型犬は、寒さに弱く震えやすい傾向があります。
また、子犬やシニア犬も体温調節機能が未熟だったり低下しているため、他の犬よりも寒さを感じやすいです。
こうした震えは、暖かい場所に移動したり、毛布や服で保温してあげることで自然と落ち着くことがほとんどです。
2. 精神的な理由(恐怖・警戒心・ストレス)
犬は意外とデリケートな生き物。
雷、花火、近所の工事音、来客、動物病院など「怖い」「不安」「警戒」などの気持ちが強くなると、体が反射的に震えることがあります。
特に、初めての場所や見知らぬ人と出会った時、苦手な音がした時などは、緊張や恐怖心による一時的な震えが多く見られます。
また、引っ越しや家族構成の変化、環境の変化も犬にとって大きなストレスとなり、体がブルブルすることも。
こうした震えは、安心できる場所を作ってあげたり、原因となる刺激から遠ざけてあげることで落ち着いてきます。
3. 要求・興奮(構ってほしい・喜び)
意外に多いのが「嬉しいとき」や「かまってほしい時」の震え。
飼い主が帰宅した瞬間や、おやつをもらえる直前に、尻尾を振りながら体が震える、なんて経験はありませんか?
この場合、犬は強い喜びや興奮、あるいは「早く!」という期待感からブルブルと震えます。
また、過去に震えていた時に飼い主が優しく抱きしめたり、ご褒美をあげた経験があると、「震えれば注目してもらえる!」と学習し、いわゆる“仮病”のように震える犬もいます。
このタイプの震えは、一時的ですぐ収まるのが特徴で、他に体調の変化がなければ特に心配はいりません。
4. 加齢による筋力の低下
犬も人間と同じく、年齢を重ねると筋肉量が少しずつ減っていきます。
シニア犬(老犬)では、特に後ろ足や腰回りの筋肉が落ちてしまい、立っているときや歩き始めたときに足がプルプル震えることがあります。
これは筋力低下が原因の“踏ん張り不足”であり、加齢による自然な現象の一つです。
ただし、立てないほどのふらつきや、転倒を繰り返すような場合は、神経疾患や関節のトラブルも考えられるため、かかりつけの獣医師に相談すると安心です。
【元気がない・ぐったり】病気の可能性が高い犬の震え
もし愛犬が震えているだけでなく、元気がなくなったり、食欲が低下しているときは要注意。
こうした場合、背後に重い病気や急性のトラブルが隠れていることがあります。
ここでは、特に注意したい主な病気や体調不良のパターンを紹介します。
激しい痛みを伴う病気(椎間板ヘルニア・膵炎など)
犬が強い痛みを感じているとき、震えが現れることがよくあります。
例えば、椎間板ヘルニアでは、背中や腰の鋭い痛みが主な症状となり、動かなくなったり、背中を丸めてじっとしていたり、触られるのを極端に嫌がる場合があります。
また、膵炎や急性胃腸炎など内臓の炎症でも、強い痛みによる震えが見られます。
抱っこをしようとすると「キャン!」と悲鳴をあげたり、体を丸めて震えていたら、すぐに病院を受診することをおすすめします。
中毒症状や誤飲・誤食
チョコレートやネギ類、ぶどう、キシリトールなど犬にとって危険な食材や薬品を誤って食べてしまった場合、震えが最初のサインとして現れることがあります。
特に、子犬や小型犬は、空腹や下痢・嘔吐が続くとすぐに低血糖症になりやすく、震え・ふらつき・意識低下といった症状が急激に進むので注意が必要です。
家庭で様子を見るのではなく、すぐに動物病院に連絡し、可能であれば何をどのくらい食べたか伝えましょう。
神経疾患や脳の病気(てんかん・脳腫瘍)
震えがけいれん発作につながったり、呼びかけに反応しなくなったり、意識障害を伴う場合は、脳の病気や神経のトラブルが疑われます。
てんかん発作や脳炎、脳腫瘍、水頭症などでは、震えが“前兆”として現れた後、けいれんや意識喪失が起こることもあります。
このような場合は、周囲に危険な物を置かず、犬が安全な場所で休めるようにしてから、できるだけ早く動物病院を受診してください。
感染症や熱中症による発熱
犬の体温が高くなり、震えや悪寒がある場合は発熱している可能性があります。
これは、ウイルス感染症や細菌感染症、フィラリア症、あるいは熱中症などが原因で起こることがあります。
とくに夏場は、室内にいても熱中症になるリスクがあるので、体温が高い・ぐったりしている・呼吸が荒いなどの症状があれば、すぐに涼しい場所に移動し、早急に獣医師へ相談しましょう。
「震え方」や「タイミング」で原因を見極めるチェックポイント
震えの原因は多岐にわたりますが、「どんな風に震えているか」「いつ震えるか」を観察することで、より正確な判断がしやすくなります。
ここでは、犬の震えを観察するポイントや、日常でよくある誤解について解説します。
「小刻みな震え」と「ガタガタ大きな震え」の違い
犬の震えには、細かく小刻みに体を振動させるタイプと、全身が大きくガタガタと震えるタイプがあります。
小刻みな震えは、寒さや不安・興奮・筋力低下など、比較的生理的な理由や一過性のものが多い傾向です。
一方、全身が激しく大きく震えている場合は、強い痛みや重度の発熱、中毒、けいれん発作の前兆といった緊急性の高い原因が隠れていることも。
特に、震え方が普段と違ったり、突然激しくなった場合は要注意です。
「後ろ足だけ」震えるのか「全身」震えるのか
犬が震えているとき、全身なのか、特定の部位だけなのかにも注目しましょう。
高齢犬や運動不足の犬では、後ろ足だけプルプル震えることがあります。これは加齢や筋力低下による踏ん張り不足が原因のことが多く、他に症状がなければ心配はいりません。
逆に、全身が同時に震えている、あるいは突然始まった場合は、内臓疾患や全身性の異常が隠れていることがあるため、慎重な観察が必要です。
寝ている時にピクピク震えるのは大丈夫?(レム睡眠)
愛犬が眠っているとき、体や足が小さくピクピク動いているのを見たことはありませんか?
これは「レム睡眠」と呼ばれる、夢を見ている時に起こる自然な現象です。
レム睡眠中は、犬も人間と同じく脳が活発に活動し、筋肉が短時間だけピクッと動くことがあります。
起きているときに震えているのと違い、寝ている時のピクピクは心配ありません。
ただし、寝ている最中に激しく痙攣したり、呼吸が苦しそうな場合は、病気の可能性もあるので注意しましょう。
もし愛犬が震えだしたら?家庭での対処法と病院受診のコツ
実際に愛犬が震え始めた時、飼い主としてどんな行動をとればいいかはとても大切です。
ここでは、家庭でできる初期対応や、受診時に役立つポイントを紹介します。
まずは落ち着いて「保温」と「環境確認」
犬の震えに気づいたら、まずは周囲の環境をチェックしましょう。
部屋が寒すぎないか、冷たい床に直接座っていないか、エアコンの風が直撃していないかなど確認し、必要であれば毛布で包む・室温を上げるなどの保温対策をしてあげてください。
また、工事音や雷、見知らぬ来客などストレスの原因がないかも確認しましょう。
原因が取り除ける場合は、安心できる静かな場所に移動させてあげると、犬も徐々に落ち着いてくることが多いです。
受診の決定打は「動画撮影」!獣医師に伝えるべきこと
病院に連れて行くべきか迷う場合、震えている様子をスマホなどで動画に撮影しておくのがおすすめです。
動画があると、獣医師が症状のタイプや強さ、震え方の特徴をより正確に判断できます。
加えて、「いつから震え始めたか」「どんな状況で起こったか」「ごはんやおやつは食べたか」「他に気になる症状があるか」などもメモしておくと、診断の大きな手助けになります。
夜間や休日に震えが止まらない場合の相談先
夜間や休日に、急に震えが強くなった場合や他の異変を伴う場合、地域の夜間救急動物病院を事前に調べておくと安心です。
例えば東京都内では「TRVA 夜間救急動物医療センター」や、「日本動物高度医療センター(JARMeC)」など、24時間対応や夜間診療に特化した病院が複数存在します。
普段から、お住まいの地域の夜間動物病院や緊急連絡先をスマホに登録しておくと、いざという時に慌てずに済みます。
また、最近では獣医師による電話相談サービスも増えているので、心配な時は利用するのも一つの手段です。
犬の震えを予防するために日頃からできるケア
普段から愛犬の健康管理に気を配ることで、震えの予防や早期発見につながります。
ここでは、毎日できるケアのポイントをご紹介します。
筋力トレーニングと適度な運動(シニア犬向け)
加齢による筋力低下は、特にシニア犬で震えの原因になりやすいです。
日頃から無理のない範囲でのお散歩や軽い運動を心がけ、足腰を鍛えてあげることが大切です。
ただし、激しい運動はかえって関節や背中に負担をかけることもあるため、犬の年齢や体調に合わせてメニューを調整しましょう。
おやつやおもちゃを使って「立ち座り」「ゆっくり歩く」など、遊び感覚でできる筋トレもおすすめです。
安心できる居場所(クレートトレーニング)の確保
ストレスや恐怖心から震えてしまう犬には、安心して過ごせる自分だけの場所を用意してあげることが効果的です。
例えばクレートやキャリーケース、ふかふかのベッドなど、静かで落ち着けるスペースを確保し、「ここに入れば安心」と覚えさせてあげると、不安による震えが減りやすくなります。
雷や花火、来客時など、苦手な刺激がある時にもこの場所に避難できるようにすると、犬の心の安定にもつながります。
定期的な健康診断とワクチン接種
慢性的な病気や感染症が隠れている場合、飼い主が気づかないうちに震えなどの症状が現れることがあります。
半年に1回程度の健康診断や血液検査を受けておくことで、早期発見・早期治療につなげることができます。
また、必要なワクチンやフィラリア予防もしっかり受けて、感染症のリスクを減らしてあげることも大切です。
まとめ:犬の震えは「元気の有無」と「その他の症状」で判断を
犬の震えには、寒さやストレス、筋力低下といった心配のいらないものから、重い病気のサインまでさまざまな原因があります。
大切なのは「元気や食欲があるかどうか」「他の異変がないか」をしっかり観察すること。
もしも呼びかけに反応しない、痙攣や激しい痛み、嘔吐・下痢・呼吸困難など緊急サインが見られる場合は、迷わず動物病院へ連絡してください。
普段から愛犬の様子をよく観察し、少しでも違和感があれば、動画やメモを活用して獣医師に相談しましょう。
震えは愛犬からの大切なサイン。日々のケアと、冷静な観察が、愛犬の健康と安心にきっとつながります。
