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日本犬の種類一覧!天然記念物6種から幻の「希少種」まで特徴と入手方法を解説

目次

日本犬(和犬)の種類は?「天然記念物」と「地犬」の違い

日本犬と一口に言っても、実はその定義はかなり厳密です。
「日本犬」と呼ばれるのは、主に日本在来の犬種であり、縄文時代や弥生時代から日本人とともに生き、時には狩猟犬として、時には番犬として、私たちの暮らしのパートナーであり続けてきました。
日本の気候や風土に順応しながら独自の進化を遂げたため、洋犬とはまた違った魅力を持っています。
このセクションでは、検索でもニーズの高い「日本犬の種類」「日本犬 種類 一覧」にこたえ、まずはその全体像と“国の天然記念物6犬種”以外の存在、地犬・希少種との違いまで整理します。

国の天然記念物に指定されているのは6種類だけ

昭和初期、絶滅の危機にあった日本在来犬を守るため「日本犬保存会」が中心となって保存活動が始まりました。
そして1930年代から40年代にかけて、純粋な日本犬として選抜された6犬種が“国の天然記念物”に指定され、今日に至るまで厳格な基準で保存・繁殖が行われています。
この6犬種とは——柴犬(唯一の小型)、秋田犬(唯一の大型)、紀州犬、甲斐犬、四国犬、北海道犬(以上中型)です。
これらは通称「和犬」とも呼ばれ、日本の誇りとも言える存在です。
いずれも三角形の立ち耳・巻尾・バランスの良い筋肉質な体つきなど、共通の特徴を持っていますが、サイズや毛色、性格には大きな違いもあります。
これらの6種はすべて猟犬の歴史を持ち、気質的には「警戒心が強い」「飼い主への忠誠心が高い」「自立心が強い」という傾向も共通します。

地域固有の「地犬(じいぬ)」と「希少種」の現状

日本各地には、天然記念物指定からは外れたものの、古くからその土地で守られてきた犬たち「地犬(じいぬ)」がいます。
たとえば長野県の川上犬、沖縄の琉球犬、鳥取・島根の山陰柴犬、岐阜の美濃柴犬、熊本の肥後狼犬、鹿児島の薩摩犬などがその代表例です。
これら地犬は、縄文犬や弥生犬といった“犬の原種”の特徴を色濃く残しており、まさに生きた文化財といえます。
しかしながら絶滅寸前まで頭数が減った犬種も多く、県や保存会、地域住民による細々とした保存活動が今なお続いている状況です。
なかには既に絶滅してしまった種類(十石犬、大東犬など)もあり、今生き残っている希少な「地犬」は、まさに幻の犬たちと言えるでしょう。

【比較表】サイズ・性格・飼いやすさ一覧

日本犬6種+主な希少種について、体の大きさや性格の傾向、家庭犬としての飼いやすさを一覧でまとめました。
なお「猟犬気質」「初心者向きか否か」「運動量」などにも注目して比較すると、意外な違いが見えてきます。

犬種名 サイズ 猟犬気質 性格の傾向 飼いやすさ
柴犬 小型(体高約36.5~39.5cm、9~12kg) ☆☆☆ 賢く忠実だが頑固、警戒心が強い ◎(しっかり社会化すれば初心者もOK)
秋田犬 大型(体高約58~70cm、27~60kg) ☆☆☆☆ 堂々として落ち着き、飼い主には愛情深い △(大型・力が強いので中上級者向け)
甲斐犬 中型(体高約44~55cm、14~16kg) ☆☆☆☆ 一代一主の忠誠心、警戒心強い △(飼い主以外になつきにくい)
紀州犬 中型(体高約49~52cm、15~27kg) ☆☆☆☆ 穏やかで我慢強いが気性が荒い面も △(信頼関係としつけが必須)
四国犬 中型(体高約49~52cm、15~27kg) ☆☆☆☆☆ 非常に野性的、オオカミ風の風貌 △(上級者・経験者向き)
北海道犬 中型(体高約45.5~51.5cm、20~30kg) ☆☆☆☆ 勇敢・忍耐強い・寒さに強い △(初心者は難しい)
川上犬 中型(体高45~53cm前後) ☆☆☆☆☆ 警戒心・自立心が非常に強い ×(超希少。譲渡も厳格)
琉球犬 中型(体高42~50cm) ☆☆☆☆ 縄文犬の面影、木登りも得意 ×(超希少。沖縄県内でのみ保存)
山陰柴犬 中型(体高38~44cm) ☆☆☆ 細身・換毛期が特殊 ×(保存頭数少なく入手困難)

【天然記念物】日本犬の代表格6種の特徴と性格

日本の天然記念物に指定された6種の日本犬は、それぞれ個性的な歴史とキャラクターを持っています。
ここでは、ルーツとなる“猟犬”としての能力や、家庭犬としての向き・不向きも交えつつ、初心者にこそ知ってほしい和犬たちの魅力を、丁寧に解説していきます。
あなたの好みにピッタリな「運命の1頭」に出会えるかもしれません。

①柴犬(小型):日本で唯一の小型犬にして絶対的エース

日本を代表する小型犬・柴犬は、縄文時代から人と暮らし、野山の猟犬として活躍してきた“もっとも日本らしい犬”です。
平均体高はオス約39.5cm・メス約36.5cm、体重は9~12kg程度。
被毛は厚いダブルコートで、赤・黒・胡麻・白など毛色のバリエーションも豊富。
オオカミに近いDNAを持つといわれ、骨太で引き締まった体、立ち耳・巻尾が特徴です。
性格は飼い主に非常に忠実で賢く、一方で警戒心・自立心・プライドが強く、時に“ツンデレ”とも言われるほど頑固な一面も。
しっかり社会化トレーニングを行えば初めての方にも飼いやすいですが、甘やかしすぎず、信頼関係をじっくり築くことが大切です。
日本国内の日本犬のうち約8割を占める、絶対的エース犬種です。

②秋田犬(大型):忠犬ハチ公で知られる唯一の大型犬

「忠犬ハチ公」の物語で世界中に知られる秋田犬は、和犬唯一の大型犬種。
平均体高はオス64~70cm・メス58~64cm、体重はオス39~60kg・メス27~50kgと迫力満点です。
熊猟犬や闘犬として活躍した歴史もあり、がっちりした体格・長い脚・巻尾・三角形の立ち耳など和犬らしさと力強さを兼ね備えています。
性格は飼い主に対してとても深い愛情と忠誠心を見せる一方、知らない人や動物には警戒心や攻撃性を示すこともあります。
体もパワーも大きいので初心者や体力に自信のない方には不向きですが、きちんとしつけと信頼関係を築けば、最高のパートナーとなってくれるでしょう。
近年は特定犬種として飼育に規制がある自治体もあるため、事前に確認が必要です。

③甲斐犬(中型):野性味あふれる「虎毛」のハンター

甲斐犬は山梨県原産、約4000年前から日本の山岳地帯で活躍してきた狩猟犬で、その野性味あふれる「虎毛」が特徴的です。
体高はオス47~55cm・メス44~52cm、体重は14~16kg程度。
しなやかで筋肉質な体と、黒虎・赤虎・中虎の美しい虎模様、鋭い表情が魅力です。
性格は「一代一主(いちだいいっしゅ)」の気質が非常に強く、飼い主にはとことん忠誠を尽くしますが、他人には心を許しません。
知能・身体能力が高く番犬向きですが、初対面の人や犬には警戒心MAX、家庭犬としては上級者向きの犬種です。
子犬から一生面倒を見られる覚悟が必要な、まさに“玄人好み”の日本犬です。

④紀州犬(中型):イノシシ狩りのスペシャリスト

和歌山・三重の紀州地方原産の紀州犬は、古くからイノシシ猟の名手として山岳地帯で飼われてきました。
体高はオス52cm・メス49cm、体重は15~27kgほど。
毛色は約95%が白で、その凛とした美しさにファンも多いです。
立ち耳・巻尾・がっしりした筋肉質の体つきが特徴です。
性格は落ち着いていて忍耐強いですが、非常に警戒心が強く気性が荒い一面も持っています。
しつけ・社会化が不十分だとトラブルになることもあるため、経験者や中上級者におすすめです。
小さい頃から他の人や犬との触れ合いをたくさん経験させることが、家庭犬としての適応のコツです。

⑤四国犬(中型):ニホンオオカミと見間違えるほどの風貌

高知県の山間部原産の四国犬は、その野性味あふれる姿が“ニホンオオカミの末裔”とも言われています。
体高はオス52cm・メス49cm、体重は15~27kg前後。
毛色は胡麻がほとんどで、しっかりとした骨格と引き締まった筋肉、鋭い目つき、オオカミのような風貌が最大の魅力。
性格は極めて警戒心が強く、オスは特に狩猟本能・攻撃性が高いため、上級者・経験者向けの犬種です。
家庭犬としては手ごわいですが、その分“飼い主一筋”の忠誠心は随一。
大量の運動と、徹底した社会化トレーニングが必須です。

⑥北海道犬(中型):ソフトバンクのお父さん犬でも有名

アイヌ民族の猟犬として活躍してきた北海道犬は、「アイヌ犬」とも呼ばれます。
体高はオス48.5~51.5cm・メス45.5~48.5cm、体重20~30kgほど。
胡麻・虎・赤・白・黒褐色など毛色バリエーションも豊富で、寒さに非常に強いのが特徴。
立ち耳・巻尾・厚いダブルコートは、極寒の地に生きてきた証です。
性格は勇敢で忍耐強く、気性が荒い部分もありつつ、飼い主にはひたむきで温厚。
ヒグマにも立ち向かう勇敢さを持ち、現代ではソフトバンクCM「お父さん犬」としてもお馴染みです。
ただし、初心者にはやや難易度が高め。しっかり運動時間を確保し、夏の暑さ対策には注意しましょう。

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まだいる!絶滅の危機にある幻の「希少種(地犬)」たち

日本犬といえば「柴・秋田・北海道・四国・紀州・甲斐」の6種が有名ですが、実は日本各地には、地元の人々によって守られてきた“地犬(じいぬ)”や、国の指定から漏れた幻の希少種も存在します。
こうした犬たちは、絶滅寸前のものも多く、知る人ぞ知る“日本の原風景”を今に伝える存在です。
このセクションでは、なかなか目にすることのできない幻の日本犬たちの素顔を、全国からピックアップして紹介します。

【長野県】ニホンオオカミの血を引く?「川上犬」

長野県・川上村が原産の「川上犬」は、地元では“ニホンオオカミの血を受け継ぐ犬”とも伝えられる非常に希少な日本犬です。
長いマズルと鋭い目つき、体格も中型で引き締まった姿は、どこか野生のオオカミを思わせる風貌。
そのルーツは、明治時代に猟師たちが山中で捕獲した“狼犬”を、在来の犬と交配して守り続けてきたという説があります。
性格は警戒心が非常に強く、頑固で自立心が高い“日本犬気質”の塊。
現在は川上犬保存会を中心に、村ぐるみで血統維持と保存活動が行われており、一般への譲渡には厳しい条件や審査があります。
日本の原風景とともに生きてきた、まさに“幻の日本犬”です。

【沖縄県】木登りも得意な「琉球犬」

琉球犬は沖縄本島や八重山諸島に古くから生息し、縄文犬の特徴を色濃く残す希少種です。
平均体高はオス46~55cm・メス44~52cm前後、スリムな筋肉質で俊敏な体つき、ピンと立った耳、太い巻き尾が特徴的。
“木登りが得意”という珍しい特技を持ち、野山の急斜面でも自在に動ける身体能力は、琉球の自然環境に適応してきた証です。
性格は警戒心が強く、家族には忠実ですが、知らない人にはなかなかなつきません。
現在は県内外の保存会などで保護繁殖活動が進められているものの、絶滅危機に瀕しています。
現代の日本に残る“縄文犬の遺伝子”を守るラストサムライとも言えるでしょう。

【鳥取・島根】柴犬のルーツの一つ「山陰柴犬」

山陰柴犬は鳥取県・島根県の山間部で、古くから農家や猟師のパートナーとして暮らしてきた、希少な地犬です。
全国的な柴犬よりも細身で軽快、体高はオス43~50cm・メス40~46cm前後、すらりとした四肢とキツネ顔が特徴。
“換毛期に1年で2回しか毛が生え変わらない”という独特のサイクルを持ち、地元の気候に適応した独自の進化を遂げています。
性格は素朴で活発、野性味を残しながらも、家族には忠誠心の高い“日本の田舎犬”らしさが光ります。
その数は極端に少なく、地元の保存会やボランティア団体によって、細々と血統維持が続けられています。
“本当の日本犬の原点”を探す旅に出たい方には、いつか会ってほしい犬種です。

地犬名 主な地域 主な特徴・絶滅危機度
川上犬 長野県川上村 オオカミに近い野性味、非常に希少(保存会のみ)
琉球犬 沖縄県 木登り得意、縄文犬の特徴、絶滅危惧
山陰柴犬 鳥取県・島根県 細身・俊敏・換毛期独特、絶滅寸前
美濃柴犬 岐阜県 “黒柴”に近い被毛、保存活動中
肥後狼犬 熊本県 絶滅危惧・オオカミの特徴を残す
薩摩犬 鹿児島県 中型、昔は猟犬として活躍、現存数少
大東犬 沖縄県大東島 孤島で守られた希少な日本犬
十石犬 群馬県・長野県 山岳地帯の地犬、絶滅危機

日本犬と間違えやすい?「日本原産」の洋犬・交雑種

「日本犬」と聞くと、つい柴犬や秋田犬をイメージしがちですが、日本で生まれた犬種には、“和犬”と呼ばれる伝統的な日本犬以外にも、日本原産の愛玩犬や洋犬との交雑から生まれたユニークな犬種が存在します。
このセクションでは、天然記念物6種ではないものの、歴史や文化の中で独自の進化を遂げた“純日本産の犬たち”を詳しく解説。
「狆」「日本スピッツ」「日本テリア」、そして異彩を放つ「土佐犬」など、名前だけでは分かりづらいそのルーツや性格、日本犬との違いについても比較します。

狆(ちん)、日本スピッツ、日本テリア

狆(ちん)は、奈良時代に中国から日本へと伝わり、長く貴族や大名の間で愛玩犬として大切にされてきた、日本最古の小型犬です。
ふさふさの長毛、平たい顔、丸く大きな瞳が特徴で、体高はおよそ20〜30cm、体重は3〜5kgほど。
性格は穏やかで愛情深く、無駄吠えや攻撃性が非常に少ないため、現代でも高齢者や室内犬向きの“和風愛玩犬”として根強い人気を誇ります。

日本スピッツは、昭和初期に白いジャーマンスピッツが日本に渡来し、日本の気候や家庭事情に合わせて改良された国産犬種です。
真っ白で豊かな被毛、ピンと立った三角耳、クルリと巻いたしっぽ、明るく活発な性格が魅力。
一時は“よく吠える犬”のイメージがありましたが、近年はブリーディングの改良で無駄吠えが減り、家庭犬として再評価されています。

日本テリアは、江戸時代末期〜明治期に、スムースフォックステリアをもとに日本の小型犬と交配して生まれた、スリムな体型と短毛が特徴の日本原産犬。
顔は黒、体は白のパンダカラーがアイコンで、運動好き・知能が高い・やや神経質という“テリア気質”が強く現れます。
いずれも「日本犬(和犬)」とは別系統ですが、日本で長く愛されてきた“純日本産の個性派”といえるでしょう。

最強の闘犬「土佐犬(土佐闘犬)」

日本犬に“最強”の異名を冠した犬種といえば、高知県発祥の土佐犬(土佐闘犬)
四国犬や在来犬をベースに、マスティフ・グレートデン・ブルドッグ・ブルテリアなど大型洋犬を交配して、明治〜昭和初期に闘犬専用に作出されました。
体重は平均40〜60kgを超え、筋骨隆々でしなやかな被毛、重厚な頭部、短い垂れ耳が特徴的。
性格は本来、従順で飼い主にはとても忠実ですが、防衛本能と闘争心が強く、初心者や一般家庭にはややハードルの高い犬種。
家庭犬として迎えるには、ドッグトレーナーやブリーダーのサポート、そして近隣への十分な配慮が欠かせません。
「日本犬」とは一線を画す存在ですが、力強く気高い日本原産の“闘犬界の王者”として、世界中に熱心なファンがいます。

犬種 分類 体格・特徴 主な性格 ルーツ・現状
狆(ちん) 小型・愛玩 20〜30cm/3〜5kg、長毛・丸顔 穏やか・従順・甘えん坊 奈良時代から日本に定着・人気安定
日本スピッツ 小〜中型・家庭犬 30〜38cm/7〜10kg、白・ふわふわ被毛 陽気・活発・無駄吠え少なめ 昭和初期から国産化・室内犬向き
日本テリア 小型・短毛 30〜33cm/3〜5kg、黒白ツートン 知能高・運動好き・やや神経質 明治期の交雑種・希少化が進む
土佐犬 大型・闘犬 50〜60cm超/40〜60kg、短毛・垂れ耳 従順だが闘争本能強 高知県原産、専門家管理が必要

柴犬以外はどこで会える?入手方法と信頼できる専門先

日本犬に憧れて調べ始めると「ペットショップにいるのは柴犬だけ」という声をよく耳にします。
実際、日本犬6種のうち柴犬だけは全国各地のショップや譲渡会でも比較的よく見かけますが、それ以外の日本犬(秋田犬、甲斐犬、四国犬、北海道犬、紀州犬)は流通数が極端に少なく、入手方法にも独自のルールやネットワークがあります。
ここでは、希少な日本犬・地犬と出会うための具体的な方法、信頼できる団体・犬舎・保存会を紹介します。
本物の日本犬を求めるなら、ルーツと伝統を守る“専門家”の扉を叩いてみましょう。

基本は「保存会」や「展覧会」での縁探し

柴犬以外の日本犬を本格的に探す場合、まず「公益社団法人 日本犬保存会」や「秋田犬保存会」など、公式の保存会が主催する展覧会や会報誌、会員ネットワークを頼るのが最も安心で確実なルートです。
展覧会では全国のブリーダーや愛犬家が集い、犬の健康や血統、性格などを直接見て相談することができます。
犬の譲渡や見学の案内は、保存会の支部ごとに情報発信されています。
また、保存会の会報誌や公式ウェブサイトには、出産情報や“縁組み”の連絡先が掲載されていることも。
血統や保存活動にこだわる場合は、ぜひ保存会の活動に参加してみてください。

【秋田県】本場の歴史に触れる「秋田犬会館」

日本犬の中でも秋田犬は、全国的に見ても特に“保存活動”が盛んです。
秋田市には「秋田犬保存会本部(秋田犬会館)」があり、ここでは本場の秋田犬の歴史や文化を学びながら、実際に秋田犬を見学することが可能です。
犬舎の見学だけでなく、ブリーダーや飼い主と直接交流し、本物の秋田犬に出会うチャンスも。
また、保存会を通じての譲渡では“犬の特性理解”や“終生飼育の意思”がしっかり確認されます。

【千葉県】柴犬専門の優良ブリーダー「房陽猪ヶ谷庵犬舎」

柴犬をお迎えしたい方は、信頼できる柴犬専門犬舎からの譲渡もおすすめ。
たとえば千葉県の「房陽猪ヶ谷庵犬舎」は、全国規模の展覧会受賞歴や、犬の健康・社会化への徹底したこだわりで知られる有名犬舎です。
子犬の健康状態はもちろん、見学時の対応や“飼い主との相性チェック”もしっかり行ってくれます。
良質な柴犬を迎えたいなら、こうした犬舎の公式サイトやSNSで最新の出産情報・見学案内をチェックしましょう。

【長野県】村が守る文化財「川上犬保存会」

幻の日本犬「川上犬」を迎えたいなら、長野県川上村の「川上犬保存会」が窓口となります。
ただし、川上犬は村ぐるみで文化財として保護されており、譲渡条件は非常に厳格
血統管理や保存目的での繁殖が優先され、一般家庭への譲渡はハードルが高いことで有名です。
その分、飼い主へのサポートや飼育指導も手厚く、本当に日本犬の保存と共生を志す方にとっては特別なご縁となるでしょう。

犬種 推奨入手ルート ポイント
柴犬 専門ブリーダー/保存会 健康管理・社会化重視。譲渡後のサポートも。
秋田犬 秋田犬保存会・会館 本場で伝統・血統を守る。全国譲渡あり。
甲斐犬・四国犬など 日本犬保存会・支部 展覧会や会報誌で譲渡情報あり。
希少種(川上犬・琉球犬など) 地元の保存会・文化財保護団体 厳しい審査や飼育条件あり。

日本犬を飼う前に知っておくべき「覚悟」

日本犬に強い憧れを抱く人は多いですが、実際に迎えるとなると“理想と現実のギャップ”に驚かされることもしばしば。
ここでは「柴犬・秋田犬はもちろん、甲斐犬や地犬など和犬全般」に共通する“飼い主として知っておくべき覚悟”を具体的にまとめました。
日本犬は見た目の可愛さや美しさだけでなく、独特の性格や気質、運動欲求、そして“ベタベタしない距離感”を理解し、最後まで責任を持って向き合う覚悟が必要です。

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「ベタベタ甘えない」独特の距離感

日本犬最大の特徴は、“飼い主に忠実なのにベタベタ甘えない”という絶妙な距離感です。
室内犬として家族と密に暮らしていても、洋犬のように四六時中寄り添ってくることは少なく、「自立心」と「誇り高さ」を感じさせる行動が多く見られます。
飼い主に対する忠誠心はとても高いですが、それは決して“常に一緒にいたい”という依存心ではありません。
例えば、留守番ができない・分離不安になるケースは少なく、むしろ静かに自分のスペースで過ごすことを好みます。
初めて日本犬を飼う方は、「もっと甘えてほしい」「膝に乗せてスキンシップを取りたい」という期待とのギャップを感じるかもしれませんが、それが“和犬の美徳”と考えるのが長く付き合うコツです。

豊富な運動量と抜け毛(換毛期)の凄まじさ

日本犬のほとんどが「猟犬」をルーツに持つため、運動欲求・体力は想像以上
日々の散歩は1日2回、各30分〜1時間は必須。甲斐犬や北海道犬、四国犬のような中型犬であれば、広い庭やドッグランで思い切り走らせてあげる必要があります。
また、ダブルコート特有の「換毛期(春・秋の2回)」には、信じられないほどの抜け毛が舞います。
短期間で服や部屋中に毛が付くため、こまめなブラッシングと掃除の覚悟も必要。
和犬は清潔好きですが、抜け毛・皮膚トラブル防止のためにも日常ケアは欠かせません。

徹底した社会化トレーニングの必要性

日本犬は“警戒心が強く賢い”ゆえに、社会化の遅れやトレーニング不足が問題行動につながりやすい犬種です。
元々は番犬・猟犬として選抜されてきたため、“知らない人・犬・物音に敏感”で、「攻撃的」「吠えやすい」「引っ張り癖」などが表に出ることも。
小さいうちから、さまざまな人・犬・環境に慣れさせ、「警戒しなくていい場面」を覚えさせる“社会化トレーニング”は必須です。
また、秋田犬や紀州犬、甲斐犬、四国犬など一部の和犬は「特定犬」として自治体で飼育規制(登録・リード着用義務等)が設けられている場合もあるので、事前に地域のルールも確認しましょう。
和犬は「賢くて頑固」な反面、コマンドやルールをしっかり学ばせれば“最高に信頼できるパートナー”になってくれます。

覚悟ポイント 具体的な内容・注意点
距離感 甘えすぎない自立型。飼い主への忠誠心は強いがスキンシップは控えめ。
運動量 1日2回以上の散歩が必要。換毛期は大量の抜け毛あり。
社会化 警戒心が強く、子犬期からトレーニングが不可欠。
特定犬種規制 一部自治体で届け出義務・リード義務などがある。必ず地域の条例を確認。

まとめ:日本の宝「日本犬」の歴史を知って、最適なパートナーを選ぼう

日本犬は、その堂々たる存在感、素朴な美しさ、そして飼い主への強い忠誠心で多くの人を魅了してきました。
しかし、柴犬や秋田犬をはじめ、甲斐犬や紀州犬、四国犬、北海道犬――どの犬種にも共通するのは、“野性味”と“気高さ”が同居する独特の個性です。
彼らは長い歴史のなかで、日本の風土とともに進化し、時に絶滅の危機に瀕しながらも、地域の人々や保存会の努力によって今に受け継がれています。

和犬を家族に迎えるということは、可愛らしい見た目だけではなく、その生い立ちや性格・本能を深く理解し、パートナーとして“対等な信頼関係”を築く覚悟が求められます。
ベタベタと甘えてくる犬種ではありませんが、彼らが見せる“飼い主だけへの微笑み”や、家族を守ろうとする強い意志には、唯一無二の温もりがあります。

日本犬の里親や保存会への参加、展覧会での見学、専門ブリーダーとの出会い――“ご縁”のプロセスも、和犬ならではの味わい深さ。
一生の友として、日本の宝とも呼べる和犬の歴史に触れ、あなたのライフスタイルや体力、覚悟に合った“最適なパートナー”を見つけてください。
そして、日本犬の魅力と血統を次の世代につなぐ担い手となることも、素晴らしい喜びとなるはずです。

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