犬になす(茄子)は食べてもいい?安全な与え方・量・注意点を徹底解説!
夏の定番野菜「なす」は、焼きなすや煮浸し、浅漬けなど、私たちの食卓でも大活躍する食材ですよね。
でも、愛犬が興味津々で見つめてきた時、「なすを犬に食べさせても本当に大丈夫なの?」と迷うこともあるのではないでしょうか。
今回は、なすを犬に与えるときのメリットや注意点、与える際のコツまで、知って得する情報をたっぷりご紹介します!
結論:アク抜き・加熱をすれば、犬もなすを食べてOK
ここでまず結論をお伝えします。
なすは、ヘタや葉をしっかり取り除き、加熱してアク抜きをすれば犬が食べても基本的に問題ありません。
ただし、食事のメインにするのはNGで、あくまでおやつや食事のトッピング程度にしましょう。
なすには天然の毒素(アルカロイド)がわずかに含まれているため、過剰に与えると下痢や嘔吐のリスクがあること、腎臓や心臓に持病がある犬、高齢犬・子犬の場合は特に量に注意が必要です。
最初はごく少量から試し、アレルギー反応が出ないか様子を見てください。
ヘタと葉は必ず取り除こう
なすのヘタや葉にはアルカロイドという天然毒素が含まれています。
誤って食べてしまうと、嘔吐や下痢など健康トラブルの原因になるので、与える際は必ず実の部分だけを使いましょう。
普段なすを調理する時と同じように、ヘタと葉をきれいにカットしてから犬用に用意してあげてください。
生で与えるのはおすすめしません
なすは生で与えることも可能ですが、皮が固く消化に負担がかかる場合があります。
また、アク(苦味成分)によって、体質によっては胃腸に刺激を与えることも。
できるだけ加熱し、人肌程度に冷ましてから細かく刻んで与えるのが安全です。
なすを蒸す・茹でる・電子レンジ加熱など、オイルを使わずにシンプルに調理するのがおすすめです。
なすは「補助食材」扱いで
なすは93%が水分でカロリーも低め。
栄養的には食物繊維やカリウム、ポリフェノールなど良い成分も含まれていますが、犬の主食やメイン食材には不向きです。
普段のフードにちょっと混ぜて食感や香りを楽しませるくらいの「プチトッピング」感覚で活用しましょう。
犬がなすを食べるメリット|特有の栄養素「ナスニン」とは
なすには、犬の健康にもプラスになる栄養素がいくつか含まれています。
ここでは「なすの何が良いの?」と気になる飼い主さんのために、その魅力を詳しく解説します。
ナスニン(ポリフェノール):抗酸化パワーで健康維持
なす特有の紫色の正体は、ナスニンというポリフェノールの一種。
ナスニンは、強い抗酸化作用を持ち、体の細胞をサビから守ってくれると言われています。
老化防止や免疫力の維持、がん予防への効果も期待されている成分です。
ただし、ナスニンは主に皮の部分に多く含まれています。
消化が心配な場合は皮を細かく刻むか、ペーストにして与えると吸収が良くなります。
皮ごと食べさせてあげたい場合は、必ず加熱し、細かくカットするなど工夫してください。
カリウム:むくみ予防や水分バランスに役立つ
なす100gあたりにはカリウムが約220mg含まれています。
カリウムは体内の余分な塩分(ナトリウム)を排出する働きがあり、血圧の維持やむくみ予防に貢献します。
ただし、腎臓や心臓に持病がある犬の場合は、カリウムの摂りすぎが体に負担になることも。
健康な成犬であれば、トッピング程度であれば問題ありませんが、疾患がある子は必ず獣医師に相談してください。
食物繊維:腸内環境をサポート
なすには食物繊維も含まれており、100gあたり約2.2g。
その多くは不溶性食物繊維で、腸の蠕動運動を促し、便通をサポートしてくれます。
便秘気味の子や、ダイエット中の犬にも少量ならプラス効果が期待できます。
ただし、食物繊維の摂りすぎは下痢や消化不良のもとになることもあるので、与え過ぎにはご注意を。
水分たっぷりで夏の水分補給にも
なすは全体の約93%が水分でできています。
特に夏場、食欲が落ちやすい犬や、高齢で飲水量が減ってきた子にとっては、水分補給のサポートにもなります。
暑い日に少しだけ与えてあげると、ひんやりした食感も喜んでくれるかもしれません。
【要注意】なすを与える際の4つのリスク
なすには健康メリットがある一方で、犬に与える際は4つのリスクを理解しておくことが大切です。
「なす好きな子だからいっぱいあげよう!」と安易に量を増やすのは要注意です。
①シュウ酸による尿路結石のリスク
なすにはシュウ酸も含まれていて、体質によっては尿路結石(特にシュウ酸カルシウム結石)の原因になる場合があります。
過去に結石の既往歴がある犬や、尿トラブルが心配な子には注意しましょう。
心配な場合は、なすを与える前にかかりつけの獣医師へ相談しておくと安心です。
②カリウムによる腎臓・心臓への負担
カリウムは健康な犬なら問題ありませんが、腎臓病や心臓病の持病がある犬には負担になる可能性があります。
腎機能が低下していると、カリウムが体内に溜まりやすく、高カリウム血症のリスクも。
愛犬の健康状態や持病の有無に応じて、必ず与える前にかかりつけ医と相談してください。
③アレルギーの可能性
ごくまれに、なすにアレルギー反応を示す犬もいます。
主な症状としては、皮膚のかゆみ、赤み、下痢、嘔吐などがあります。
なすを初めて与える時は、ごく少量ずつからスタートし、様子をよく観察してください。
もし異変が見られた場合は、すぐになすを中止し、必要に応じて獣医師の診察を受けましょう。
④葉やヘタに含まれるアルカロイド(ソラニン類)
なすの葉やヘタにはアルカロイド(ソラニンなど)が含まれています。
この成分は嘔吐・下痢・口腔や食道の炎症などの原因となるため、絶対に与えないでください。
調理の際は葉やヘタをきれいに取り除き、誤食を防ぐためにも、キッチンに残った部分はしっかり片付けましょう。
まとめ
今回は「なす(茄子)は犬が食べても大丈夫?」という疑問に、獣医師監修の情報をもとに詳しくお伝えしました。
なすは加熱してアク抜きをし、ヘタや葉をしっかり除去すれば、犬に与えても基本的に問題ありません。
ただし、なすはあくまで「おやつ」や「トッピング」の範囲で楽しむのがベストです。
その理由は、なす自体の栄養価がとても高いわけではなく、主成分は水分(約93%)。
カリウムや食物繊維、ポリフェノール(ナスニン)など健康をサポートする成分も含まれますが、与えすぎには注意が必要です。
特に腎臓や心臓に持病のある犬・シニア犬・子犬は、なすのカリウムやシュウ酸による負担・尿路結石のリスクを考え、必ずかかりつけの獣医師に相談してから与えましょう。
また、アレルギーのリスクや、皮や葉・ヘタに含まれるアルカロイドにも要注意です。
はじめてなすをあげる時は、ほんの少量からスタートし、体調に異変がないかしっかり観察してください。
与える時は「加熱」「細かく刻む」「調味料や油は控える」「人肌まで冷ます」など、安全に楽しく食べられる工夫もポイントです。
季節の食材を愛犬と一緒に楽しみたい方は、ぜひ今回の内容を参考にして、無理のない範囲で新しい味覚をシェアしてみてください。
愛犬の健康と幸せのために、これからも安全で楽しいごはん時間を過ごしましょう!