1. なぜお金持ちは「維持が大変な犬」を好きになるのか?3つの心理
街を歩いていると、まるで絵画から抜け出してきたような優雅な大型犬を連れている人を見かけて、「きっとあの人はお金持ちなんだろうな…」と心の中でつぶやいてしまうことはありませんか。
実は、富裕層が選ぶ犬種には明確な傾向があり、彼らが好む犬には“ただ可愛いだけではない理由”が隠されています。
ここでは、富裕層があえて「手のかかる犬・維持費が高い犬」を選びたくなる3つの心理を、科学・心理・ライフスタイルの視点から徹底解説していきます。
「富裕層に人気の犬」の裏側を知ると、犬種の魅力がますます深く見えてきますよ。
希少性と美意識:芸術品のような「機能美」への憧れ
富裕層がどんな分野でも「希少性」「美しさ」「歴史性」を重視するのは有名ですが、それは犬選びにもそのまま反映されています。
たとえば、ボルゾイ、アフガン・ハウンド、サルーキなどは、一般家庭ではなかなかお目にかかれない優雅な体型と流れるような被毛を持っており、まさに“歩く芸術”。
こうした犬種は、古代文明や王室、貴族と深い関わりがあるため、所有すること自体が「文化」や「美意識」の象徴となります。
さらに、希少犬種は流通が少ないため、そもそも入手が難しいケースも多く、そうした“手に入りにくい特別感”が富裕層の所有欲を刺激します。
富裕層は高級車や絵画と同じように、犬の「機能美」や「背景となる物語」を見ています。
そのため、美しい毛並みや独自のシルエットを保つために手間がかかる犬ほど、「価値ある存在」として愛されやすいのです。
「手間=愛情」の証明:トリミングや運動に時間を割けるステータス
富裕層が重視するのは“可愛いから好き”という単純な理由ではありません。
彼らにとって犬を飼うことは、「時間」「お金」「労力」という最も貴重な資源をどれだけ費やせるかの証明でもあります。
たとえばアフガン・ハウンドの長い絹のような被毛を維持するには、毎日のブラッシングに加えて、プロトリマーによるこまめなケアが必須。
ボルゾイを健やかに育てるためには、広大な運動スペースと、こまめな食事・医療管理が必要です。
こうした犬種は、「忙しすぎる生活」では決して向き合えないため、富裕層の余裕あるライフスタイルと相性が良いと言えます。
さらに、富裕層はペットケアを外注化する環境も整っており、ドッグシッター、専属トリマー、ドッグヨガ、ペットスパなど、愛犬に“最高の時間”を提供する文化が根づいています。
つまり富裕層にとって、犬の世話は義務ではなく、「楽しみ」であり、「自分の生活の質を高める趣味」でもあるのです。
賢さと独立心:ビジネスパートナーのように対等な関係を好む傾向
富裕層が求める犬種には、外見の華やかさだけでなく、知性・気高さ・自立心も求められます。
これは富裕層のビジネス感覚や価値観と深くつながっています。
たとえばボルゾイやサルーキは「自立心が強くマイペース」。しつけも一筋縄ではいきません。
プードルやドーベルマンは非常に賢く、難易度の高いトレーニングにも応えられる能力を持っています。
富裕層は「指示すればなんでも従う犬」よりも、対等な存在として尊重できる犬、自分の意思を持つ犬を好む傾向があります。
ビジネスにおいても、富裕層は「盲従する部下」よりも「自ら考え動くパートナー」を好むため、その価値観が犬との関係にも反映されるのです。
そして、難しい犬種ほど信頼関係を築くためには時間も根気も必要なため、そこに深い満足感と“特別な絆”を感じるのです。
2. 「金持ちの犬」の代名詞!ボルゾイが選ばれる理由と覚悟
超大型犬の中でも、ひときわ目を引くボルゾイは、まさに“金持ちの犬”の象徴と言える存在です。
ロシアの貴族たちに愛され、ヨーロッパの上流階級をも虜にしてきたその気品と美しさ。
しかし、ボルゾイの飼育には、経済力だけでなく空間や時間、そして深い愛情と理解が求められます。
ここでは、なぜボルゾイが“特別視”されるのか、その歴史・飼育環境・健康管理の観点から、リアルな飼い主の覚悟を解説します。
圧倒的なビジュアルと「貴族の犬」という歴史的背景
ボルゾイは、その優雅でしなやかな体型、長く流れる被毛、鋭い目つきと高貴な立ち姿で、どこにいても一瞬で注目を集める存在です。
もともとはロシア貴族の猟犬として誕生し、王侯貴族のサロンや絵画にもたびたび登場します。
ボルゾイの姿そのものが「洗練された美意識」と「社会的ステータス」の象徴とされてきた歴史があり、飼い主にも高い品格が求められる犬種でもあります。
街でボルゾイと歩けば、まさに歩く芸術品のような優越感を味わえるでしょう。
その存在感は、単なるペットではなく、「家族であり人生のパートナー」という次元にまで昇華しています。
必要なのは広大なリビングと専用のドッグラン
ボルゾイの飼育において、まず絶対に必要なのが広い生活空間です。
成犬で体重35〜45kg、体高70cmを超える大型犬なので、狭い部屋では体を思いきり伸ばすこともできません。
リビングに「2m×1.5m」以上のスペースは必須で、ゆったり寝そべる場所や、自由に方向転換できる導線を確保する必要があります。
さらに理想をいえば、家の敷地内に専用のドッグランや広い庭があること。
ボルゾイは本来、走ることが大好きなサイトハウンドで、毎日の運動量を十分に満たすには、広い屋外スペースが欠かせません。
高級住宅街で見かける“美しい大型犬”は、単に見た目のステータスだけでなく、その生活空間自体が「余裕の証明」なのです。
繊細な胃腸と骨格を守るための高額な医療・食事管理
ボルゾイは、その気品あふれる見た目とは裏腹に、とても繊細な体質を持っています。
特に胃腸は弱く、食べ物や食べ方に敏感なため、高品質なフードを選び、量や時間にも細心の注意が必要です。
成犬になると1日500g以上のフードが必要となり、食費だけで毎月1万円以上かかることも珍しくありません。
また、ボルゾイは大型犬特有の股関節形成不全や、骨・関節トラブルも多く、予防や治療のための医療費も高額になりがちです。
手術や入院になれば100万円を超えることもあるため、日常から健康管理には相当な覚悟が必要です。
さらに、月1回以上のトリミングや専門的なグルーミングも欠かせず、美しい被毛を保つためのシャンプーやケア用品も、一般的な犬種よりも高額になります。
「優雅な姿」を維持するための費用と時間は、想像以上に大きなものなのです。
3. ボルゾイだけじゃない!年収1000万超え世帯に人気の犬種リスト
富裕層のライフスタイルや好みによって選ばれる犬種はさまざまです。
ここでは「優雅・エレガント」「知性・ステータス」「愛嬌・溺愛」という3つの傾向に分けて、実際に年収1000万円を超える世帯で支持される人気犬種を特徴とともに紹介します。
それぞれの犬種が持つ魅力や、飼育時の“お金持ちポイント”もあわせて解説していきます。
【優雅・エレガント】アフガン・ハウンド / サルーキ
アフガン・ハウンドやサルーキは、流れるような美しい長毛と優雅なプロポーションが圧倒的な存在感を放ちます。
この2犬種は古代の貴族や王族に寵愛され、現代でも“貴族の風格”をまとった象徴的な存在。
最大の特徴は、毎日のブラッシングと、月1回以上のプロによるトリミングが必須という点です。
被毛を美しく保つための専用シャンプーやケア用品も高価で、トリミングサロンでは1回1万5千円〜3万円かかることも。
また、運動能力も高く、広い庭やドッグランが必要なため、飼い主の住宅環境や時間的な余裕が問われます。
「犬を自分の分身として美しく保つ」ことが、富裕層の間でこの犬種が選ばれる理由の一つです。
【知性・ステータス】スタンダード・プードル / ドーベルマン
スタンダード・プードルは、カールした被毛と抜群の知能で知られる、「最も賢い犬種ランキング」常連の名門。
プロのドッグトレーナーによる高レベルな訓練や、ドッグショー参加など、“知性を活かす暮らし”が似合うため、経済的にも時間的にも余裕のある家庭で人気です。
被毛のケアも大切で、1回あたり1万円以上のトリミング費用が発生し、日常的な運動や知育玩具への投資も惜しみません。
ドーベルマンは、その精悍な見た目と従順さ、訓練への高い適応力で、エリート感を求める富裕層に選ばれます。
しっかりとしたリーダーシップが求められ、広い家や専用スペースが理想。
この2犬種は「家族の一員」でありながら、「誇り高いビジネスパートナー」として扱われることも少なくありません。
【愛嬌・溺愛】フレンチ・ブルドッグ / キャバリア
フレンチ・ブルドッグとキャバリアは、愛らしい表情や性格で、経営者層や都会の富裕層ファミリーに絶大な人気を誇ります。
この2犬種の“お金持ちポイント”は、医療費や空調管理費が高額になりやすい点にあります。
フレンチ・ブルドッグは暑さや寒さに弱く、年中エアコン管理が必要なため、電気代も家計を圧迫しがち。
また、遺伝的な病気や皮膚トラブルも多く、月に数万円規模の医療費がかかることもあります。
キャバリアも心臓疾患などの持病リスクが高く、健康を維持するためには定期的な検査や専門医の受診が不可欠。
「とにかく可愛くて愛情たっぷりに育てたい!」という溺愛型の飼い主が多いのが特徴です。
4. お金持ちの犬はどこへ行く?実在する高級サービスとスポット
“金持ちの犬”といわれるボルゾイやアフガンハウンド、スタンダード・プードルたちは、どのような場所で日々の生活や特別な時間を過ごしているのでしょうか?
ここでは、実際に富裕層が利用しているラグジュアリーなペットホテルや、会員制サロン、都会の隠れ家的ショップを厳選して紹介。
愛犬とのライフスタイルを格上げする、憧れの“お金持ち御用達スポット”をチェックしてみましょう!
1泊5万円超えも当たり前!ラグジュアリーなペットホテル
東京・芝公園の「inumo 芝公園(イヌモ)」は、愛犬同伴のホテルステイを徹底的にラグジュアリー化した最先端スポット。
全室ペット同伴OKで、グルーミング・ドッグラン・食事・写真撮影までオールインクルーシブのVIP待遇が受けられます。
1泊あたり5万円を超えるプランも珍しくなく、特別な記念日や長期旅行時に、富裕層の顧客が多く利用しています。
また、レジーナリゾート(Regina Resort)は軽井沢・箱根など全国の高級リゾート地に展開。
プライベートドッグラン付きの客室、愛犬専用ビュッフェ、天然温泉を利用したペット用スパなど、まさに“人間以上”の贅沢体験ができるのが魅力です。
これらのホテルは、愛犬家のコミュニティや情報交換の場にもなっています。
- inumo 芝公園(イヌモ):都心で“全サービス付き”ラグジュアリーペットホテル。
- レジーナリゾート(Regina Resort):軽井沢や箱根ほか、リゾート地に展開する高級ペット同伴リゾートホテル。
会員制や完全予約制のドッグサロン・クリニック
ペットの美容や健康管理も、ハイグレードなサービスが求められます。
「GREEN DOG(グリーンドッグ)代官山」は、厳選したフードとホリスティックケア、獣医師の定期相談やトリミングサービスを提供。
健康意識の高い富裕層の飼い主が集い、情報交換やコミュニティ作りの場としても活用されています。
また、「Design f(デザインエフ)」は中目黒の老舗ショップで、トリミングだけでなく、オーダーメイドの首輪やドッグウェア、ギフトアイテムまで揃うのが魅力。
ここでしか手に入らない特注品は、愛犬家の“こだわり心”をくすぐる逸品ばかりです。
- GREEN DOG(グリーンドッグ)代官山:ホリスティックケアと厳選フードが揃う健康意識の高い犬専用サロン。
- Design f(デザインエフ):中目黒の名店。オーダーメイドの首輪・ウェア、唯一無二のトリミング体験も人気。
5. 憧れだけでは飼えない?「金持ちの犬」を迎えるための生涯コスト試算
ボルゾイやアフガンハウンド、スタンダード・プードルといった“金持ちの犬”は、見た目の美しさや希少価値だけでなく、実際にかかる生涯コストも桁違いです。
ここでは、こうした大型・高級犬種を家族に迎えるための「現実的な維持費」「設備投資」「医療・介護費用」「移動コスト」など、リアルな数字をもとに試算・解説します。
これから迎えたい方も、「本当に自分に向いている?」と考えたい方も、必見の“お金と時間の現実”をぜひ参考にしてください。
食費だけじゃない!係留用リードや特注ケージの設備投資
大型犬の場合、まず最初に大きな出費となるのが初期設備費です。
係留用リードや専用の超大型クレート・ケージ、2メートル超のベッドや専用ソファなど、すべてが“ビッグサイズ”で、一般的なペットショップの標準サイズでは足りません。
こうした設備投資には、初期費用で20万円〜50万円程度かかることも珍しくありません。
さらに毎日の食費も、小型犬の何倍もの量が必要。ボルゾイ・アフガンハウンドなら、月1万円〜2万円超のドッグフード代がかかります。
高品質なグルテンフリーフードや関節サポート用サプリメントなどを選ぶ場合は、さらにコストがアップします。
ペット保険や医療備品も大型犬料金となり、見落としがちな“出費の大きさ”に注意が必要です。
大型犬料金が加算される医療費と介護費用の現実
ボルゾイなど超大型犬は、医療費・介護費もすべてがスケールアップします。
予防接種やワクチン接種も体重あたりの料金となるため、1回あたりの費用が高くなります。
さらに、股関節形成不全や胃捻転など、大型犬特有の病気リスクも高く、治療や手術には数十万円〜100万円超かかることも珍しくありません。
高齢期に介護が必要になれば、介護マットや特注カート、リフト、補助用ハーネスなどの費用も発生。
また、ペット保険も大型犬は月額8,000円〜15,000円(年齢・プランにより変動)となり、これが10年以上続きます。
「健康な時の維持費」だけでなく、“もしも”の備えにも十分な準備が求められます。
移動には「大型車(SUVやワンボックス)」が必須条件
超大型犬と一緒に出かける時、小型犬用キャリーではもちろん対応できません。
旅行や動物病院への送迎、ドッグラン・トリミングへの移動のたびに、大型犬が快適に乗れる車が必要になります。
そのため、SUVやワンボックスカーなど“犬優先設計”の車両を所有する人が圧倒的多数。
車の買い替えやカスタマイズ、専用の車載ケージの購入など、移動にもコストとスペースが求められます。
「金持ちの犬」といわれる理由には、こうした“日常の足回り”のグレードアップも大きく関わっているのです。
まとめ:金持ちの犬とは、飼い主の「余裕」を映し出す鏡である
“金持ちの犬”と呼ばれるボルゾイやアフガンハウンド、スタンダード・プードルたちは、単なる「高価なペット」ではありません。
その優雅な姿と健康的な美しさの背景には、飼い主の並外れた愛情と、経済的・時間的な余裕、空間・知識への投資がしっかりと存在しています。
美しく希少な犬種を家族に迎え、日々の手間や費用、空間や設備に余裕を持たせてこそ、本当の意味での「犬との豊かな共生」が実現します。
もし、街でラグジュアリーな大型犬や徹底的に手入れされた美しい犬を見かけたら、それはただの見せびらかしではなく、「暮らしと心の余裕」の象徴なのかもしれません。
犬たちは、飼い主のライフスタイルや価値観を映し出す鏡——。
手のかかる犬種を愛し抜くには、費用や手間だけでなく「覚悟」と「誇り」も必要です。
“金持ちの犬”に憧れる方は、まずは自分の「暮らしの余白」を見つめ直し、愛犬と一緒に豊かさを楽しむ準備から始めてみてください。

