「愛犬と新幹線で旅行したいけど、何から準備すればいい?」「ルール違反で断られたり、吠えてしまって迷惑をかけないか心配…」そんな不安や疑問をまるごと解決!
この記事では、最新の規定や実体験、よくあるトラブルと対策、安心できる乗車準備まで、初めてでも失敗しない“犬と新幹線”の完全マニュアルをたっぷり解説します。
楽しい旅のために、きちんとルールを知って快適な移動を目指しましょう。
1.犬は新幹線に乗れる?JR各社の共通ルール(手回り品きっぷ)
新幹線は犬も一緒に乗車OK!ただし厳格なルールがあるため、事前の確認と準備が欠かせません。
ここでは、JR各社共通のルールを中心に「手回り品きっぷ」の仕組み、持ち込み可能なケースの規格、乗車時に必要な条件を詳しく解説します。
1-1.【料金】「手回り品きっぷ(普通手回り品料金)」が必要
新幹線に犬を連れて乗車する場合、犬は「荷物」として扱われます。
そのため、通常の切符以外に手回り品きっぷ(普通手回り品料金)を購入する必要があります。
手回り品料金は1個につき290円。
改札口などでキャリーを提示し、その場で購入しタグをつけてもらう流れです。
事前購入や券売機では買えないため、出発時は時間に余裕をもって手続きをしましょう。
1-2.【ケース規定】乗車できるキャリーバッグ・クレートの条件
新幹線に乗るには、犬を全身収納できる動物専用ケース(キャリー・クレート)に入れることが必須です。
ケースの選び方・基準には細かなルールがあります。
1-2-1.サイズ:タテ・ヨコ・高さの合計が120cm以内
使用できるケースはタテ+ヨコ+高さ=120cm以内のサイズに収める必要があります。
キャリーに取っ手や車輪がついている場合は、その部分も含めた合計です。
通常のペットカートは制限オーバーとなり持ち込めませんが、カート部分とキャリーが分離でき、ケース部分だけが規定内サイズなら持ち込み可能です。
1-2-2.重量:犬とケースの合計が10kg以下
持ち込み可能な重量は犬とケースの合計で10kg以下と定められています。
たとえば犬が7kg、ケースが3kgの場合はOKですが、ケースが重いと乗車できる犬の体重上限も下がります。
体重10kgの犬は乗車不可ですので、必ず両方の重さを確認してください。
1-2-3.形状:全身が完全に収納され、顔や体の一部が出ないこと
犬の全身がケースに完全に収まっていることが絶対条件です。
顔出し抱っこ、ファスナーや蓋を開けての乗車はNG。
自立しないドッグスリングや袋型バッグも不可です。
車内・ホーム・駅構内でもケースから絶対に出さないよう注意しましょう。
1-3.持ち込める数:手回り品は2個まで(犬用ケースも1個としてカウント)
手回り品(犬用キャリーも含む)は2個まで持ち込み可です。
キャリー1つ+別の荷物1つという形で、規定個数を超える場合は乗車を断られる場合もあるため、荷物を最小限にまとめる工夫が必要です。
1-4.注意:在来線や私鉄、バスへの乗り換えルールは別途確認を
新幹線のルールは全国共通ですが、在来線やバス、私鉄など他の交通機関では条件やサイズ・料金が異なることも多いです。
乗り継ぎの予定がある場合は、必ずそれぞれの公式サイトで事前に規約を調べておくことが安心です。
2.【必読】なぜ乗車を「断られた」?よくあるNG事例と対策
せっかく楽しみにしていた新幹線の旅でも、ルール違反や配慮不足が原因で「乗車できません」と断られてしまうケースもあります。
ここでは実際に起こりやすいNG事例とその対策を詳しくまとめました。
これを読んでおけば、トラブルを事前に防ぎ、スムーズな旅を実現できます。
2-1.ケース(サイズ、重量、顔出し)のルール違反
一番多いトラブルがキャリーやクレートの規定違反です。
サイズが120cmをオーバーしていたり、ペットとケースの合計重量が10kgを超えていた場合、駅で持ち込みを断られることがあります。
また、犬の顔や体の一部がキャリーから出ている、ソフトバッグやドッグスリングなど自立しないものは規則違反。
「うちは大丈夫だろう」と思わず、出発前に必ずサイズ・重さ・形状の全条件をチェックし、練習も済ませておきましょう。
2-2.手回り品きっぷの買い忘れ
手回り品きっぷは当日窓口でしか購入できません。
券売機やオンラインでは取り扱いがないため、切符と同時に準備できていないケースも。
忘れて乗車しようとすると、駅員さんから乗車を断られたり、乗車後に発覚してトラブルになることがあります。
必ず出発前に窓口でキャリーを提示し、手回り品きっぷを購入してタグを付けてもらいましょう。
2-3.著しい混雑時や運行状況による制限
新幹線は、繁忙期やラッシュ時は特に混雑の状況により持ち込みを断られる場合があります。
GWやお盆、年末年始、三連休、平日の通勤・帰宅ラッシュ時などは、ペット連れの乗車を制限する場合も。
できる限り混雑期・混雑時間帯を避け、どうしても利用が必要な場合は時間と座席選びを工夫しましょう。
2-4.他の乗客への配慮不足(吠え、匂い)が原因となるケース
吠え声や体臭・抜け毛などが原因で、他の乗客からクレームが入り、乗車できないこともあります。
特に吠えや鳴き声への配慮はとても重要。
直前にシャンプーやグルーミングを済ませ、抜け毛対策の服を着せるなど、周囲へのマナーを徹底しましょう。
吠えてしまう子は、乗車前からトレーニングを積んでおくことが大切です。
3.新幹線デビューの完全準備マニュアル【乗車前日まで】
「新幹線での犬連れ旅行は準備が9割」といっても過言ではありません。
快適な旅を実現するためには、愛犬が安心して過ごせるよう事前トレーニングやグッズ選び、体調管理まで徹底的な準備が必要です。
ここでは、乗車前日までに必ず押さえておきたい準備のポイントを時系列で詳しくご紹介します。
3-1.【最重要】キャリーバッグ・クレートに慣れさせる練習(クレートトレーニング)
犬にとって慣れないキャリーは大きなストレス。
新幹線の旅が決まったら、できるだけ早い段階から「キャリー=安心できる場所」と感じてもらうトレーニングを始めましょう。
おやつやおもちゃを使って自分から入るように誘導し、徐々に扉を閉める時間を延ばすのがコツ。
無理強いはNGなので、焦らず楽しくトレーニングを続けてください。
3-2.キャリーバッグ・クレートの選び方(通気性、安定性、犬が姿勢を変えられるか)
選ぶときは通気性の良さ・安定性・姿勢が変えられる十分な広さがポイントです。
熱がこもりやすい素材は避け、2面以上のメッシュや格子があるものを選ぶと安心。
体を丸めたり向きを変えたりできるスペースがあると、長時間でもリラックスしやすくなります。
飛び出し防止リード付きや、飼い主が持ち運びやすい軽量・リュック・キャスター付きもおすすめです。
3-2-1.どこで買える?(PETEMO、コジマ、P2 DOG&CAT、カインズ、コーナンなど)
ペット用キャリーバッグ・クレートは、PETEMOやコジマ、P2 DOG&CAT、カインズ、コーナンなどの大手ペットショップやホームセンターで豊富に揃っています。
通販ならレビューや商品説明をよく確認し、実際のサイズ感や使い勝手をイメージして選びましょう。
店頭で愛犬の体格に合わせて実物を試すのも失敗しないコツです。
3-3.短い距離の公共交通機関(電車・バス)での乗車練習
いきなり新幹線本番は愛犬も飼い主も緊張してしまいがち。
事前に在来線やバスなど短距離で「乗車練習」をして、駅や電車の雰囲気・音・振動に慣れさせておきましょう。
はじめは1駅~数駅、無理せず徐々に距離や時間を延ばすのが効果的です。
降車後にはごほうびやたっぷりの散歩など、楽しい思い出もセットで経験させてください。
3-4.乗車数日前にはシャンプーを(匂い・抜け毛対策)
公共交通機関では犬の体臭や抜け毛へのマナーもとても大切です。
乗車の2~3日前までにはシャンプーやブラッシングを済ませて清潔にし、当日は衣類を着せて抜け毛飛散も防ぎましょう。
特に抜け毛の多い季節は、洋服の着用も効果的です。
3-5.抜け毛飛散防止のための「犬服」の活用
抜け毛の多い犬種は、服を着せることで周囲への配慮になります。
着せる服は、通気性や伸縮性に優れた素材を選び、体にフィットしすぎないものを選ぶのがポイントです。
公共の場所ではマナーの一つとして、服の着用もぜひ意識してみてください。
3-6.万が一に備え、目的地の動物病院をリサーチ
長距離移動や初めての場所では、体調不良や緊急トラブルのリスクもゼロではありません。
目的地や途中下車予定地付近の動物病院や夜間救急の情報も事前に調べておくことで、万が一のときにすぐに行動できます。
移動中はこまめに愛犬の様子を観察し、異変があればすぐに対処できる準備をしておきましょう。
4.【乗車当日】出発から到着までの流れと注意点
いよいよ本番当日!ここでのポイントを押さえておくことで、慌てずスムーズに新幹線移動ができます。
乗車前の最終チェックから、車内での過ごし方、到着までのコツをまとめました。
愛犬の体調や気持ちに寄り添いながら、安全・快適な移動を目指しましょう。
4-1.食事は早めに(少なめに)、トイレは乗車直前に済ませる
乗り物酔いや嘔吐を防ぐため、食事は乗車数時間前に少なめに済ませておきましょう。
空腹が長すぎるのもよくないので、普段より少し減らす程度が◎。
トイレは駅に向かう前や乗車直前に必ず済ませ、粗相や長時間我慢を防ぐ工夫を。
キャリーの中にトイレシーツやマナーパンツを敷いておくのもおすすめです。
4-2.繁忙期(GW、お盆、年末年始)やラッシュアワーを避ける
新幹線は繁忙期(GW・お盆・年末年始など)やラッシュアワー(平日朝夕、休日午前)は特に混雑します。
混雑時はペット連れ乗車を制限される場合もあるので、できる限り空いている時期・時間帯を選んで予約しましょう。
ホームから遠い号車やトイレ設備がない車両は比較的空いていて狙い目です。
4-3.乗車位置はどこがベスト?(最後列・最前列の足元スペース)
座席と座席の間のスペースが限られているため、最前列や最後列がペットキャリーを置きやすくおすすめです。
特大荷物スペース付き座席や、デッキに近い座席を指定することで、トラブル時にもすぐに移動しやすいメリットも。
足元が狭い場合は、あらかじめ荷物の配置を工夫し、キャリーが安定するようセットしてください。
4-4.無理のない乗車計画を(移動時間は2〜3時間を目安に)
駅や新幹線内では犬をキャリーから出せません。
移動時間は2~3時間を目安に、途中下車や休憩を挟んで愛犬の負担を減らしましょう。
乗車前後にしっかり休憩をとり、水分補給やリフレッシュタイムをつくることも忘れずに。
旅程は余裕を持って、愛犬第一で計画してください。
5.【乗車中】「うるさい」とさせない!吠え・鳴き声対策とマナー
車内で「ワンワン」「クンクン」と鳴いてしまうと、周囲への迷惑やクレームの原因に…。
新幹線移動では「静かに過ごせる工夫」と「しっかりしたマナー意識」が欠かせません。
ここでは乗車中の“うるさい”対策と、快適に過ごすためのポイントをまとめます。
5-1.なぜ吠える?(不安、興奮、要求)
犬が新幹線で吠えてしまう理由は「慣れない環境で不安」「興奮」「何かを要求している」などさまざま。
車内の音や振動、見慣れない人やにおいに緊張することもあります。
事前にトレーニングを重ね、キャリーの中を安心できる空間にしてあげることが大切です。
5-2.お気に入りのおもちゃや毛布で安心できる空間づくり
普段から慣れ親しんだベッドや毛布、お気に入りのおもちゃをキャリーに入れてあげましょう。
長時間遊べる知育トイや、音の出ないおやつも◎。
いつもと同じ匂いのグッズがあるだけで、落ち着いて過ごせる子も多いです。
5-3.キャリーを布で覆うなど、視覚情報を遮断する工夫
外の景色や周囲の人の動きに反応しやすい子は、キャリーにタオルやブランケットをかけて暗くしてあげると安心します。
ただし、熱がこもりすぎないよう通気性はしっかり確保を。
途中で様子を確認し、温度や呼吸が苦しくなっていないかこまめにチェックしてください。
5-4.マナーパンツやペットシーツの活用(粗相・匂い対策)
長時間の乗車では粗相やにおいの対策も大事。
キャリーの中にトイレシートを敷く、マナーパンツを着用するなど、準備をしておくと安心です。
うっかりおしっこをしてしまっても慌てず対応できるよう、予備のシーツやおしりふきも忘れずに用意しましょう。
5-5.絶対にケースから顔や体を出さない
新幹線や駅構内ではケースから顔や体を出すのは厳禁です。
「ちょっとだけなら…」という気持ちがトラブルの元に。
しっかり蓋を閉めてルールを守り、万が一暴れてしまいそうな場合はデッキに移動して落ち着かせましょう。
5-6.どうしても落ち着かない場合は途中下車も検討する
万全に準備しても、環境の変化でどうしてもパニックになってしまう子もいます。
その場合は無理をせず、次の駅で途中下車して落ち着かせる選択肢も考えましょう。
到着後はお水やおやつ、散歩などで気分転換させ、無理せず旅を続けてください。
6.新幹線から降りたら(到着後のケア)
無事に目的地に到着したら、まずは愛犬の体調やストレスのサインをよく観察しましょう。
新幹線移動は犬にとっても大きな負担。
すぐに次の移動をせず、休憩やケアの時間をしっかり取ることで、心身ともにリラックスできます。
ここでは到着後のケアと注意点を詳しくまとめます。
6-1.安全な場所でケースから出し、まずは排泄と水分補給
駅の周辺や人通りの少ない場所でキャリーから出し、まずはトイレと水分補給をさせてあげてください。
長時間我慢していた場合、すぐに排泄をしたがる子も多いです。
水もたっぷり飲ませて、落ち着いた様子を確認しましょう。
トイレやお散歩を済ませてから次の移動を開始するのがベストです。
6-2.たくさん褒めて、ストレスサインがないかチェック
慣れない新幹線移動を頑張った愛犬をたくさん褒めてあげることも大切。
下痢や嘔吐、食欲不振、元気がないなど、ストレスサインがないかよく観察しましょう。
異変があれば無理せず休憩を長めに取り、必要なら動物病院を受診してください。
また、到着後の写真や思い出を残してあげるのも、旅の大切な記録になります。
7.まとめ:ルールとマナーを守り、愛犬と快適な新幹線の旅を
犬と一緒に新幹線で旅するのは、少し大変そうに感じるかもしれませんが、正しいルールを知って事前準備をしっかり行えば、誰でも安全で快適な移動が実現できます。
キャリーバッグや手回り品きっぷの規定、車内でのマナーや配慮を守ることは、愛犬自身だけでなく他の乗客への思いやりにもつながります。
吠えや鳴き声対策、快適な空間づくり、途中下車や動物病院リサーチなど、細やかな準備やケアも忘れずに行いましょう。
何より大切なのは、愛犬の気持ちや体調を一番に考え、無理のない移動を心がけること。
ルールとマナーを守って、家族みんなで素敵な思い出に残る新幹線の旅を楽しんでください。
