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犬にそうめんは食べても大丈夫?与える量や注意点、簡単レシピを紹介

犬にそうめんは食べても大丈夫?与える量や注意点、簡単レシピを紹介

夏になると食卓に並ぶことの多い「そうめん」。
ツルッと食べやすいので、飼い主さんが美味しそうに食べていると、愛犬が「ちょっとちょうだい!」とキラキラした目で見上げてくることも多いですよね。
「そうめんって犬が食べてもいいの?」「少しなら大丈夫?」と迷った経験がある飼い主さんも多いはず。
今回は犬とそうめんの安全な付き合い方をテーマに、与えてよい量、注意点、夏バテ対策の簡単レシピまで、獣医師監修でたっぷり・やさしく解説します。

目次

結論:そうめんは与え方に注意すれば犬も食べられる

まず結論からお伝えします。
そうめんは与え方と量をしっかり守れば、犬も食べて大丈夫な食品です。
主な原料は小麦粉・水・塩(手延べの場合は油も少量)で、基本的に有害な成分は含まれていません
ただし、主食にするのではなく、あくまでおやつやトッピングとして少量だけ与えるのが正解。
麺つゆ・薬味・味付けは絶対にNGで、アレルギーやカロリー過多、塩分の与えすぎに十分注意しましょう。

犬に与える前に!そうめんの成分と4つの注意点

そうめんは手軽に与えやすいぶん、成分とリスクを知っておくことがとても大切です。
「食べて大丈夫!」と油断せず、飼い主さんが守るべき4つの注意点を一つずつ解説します。

注意点①:小麦アレルギー

そうめんの主成分は小麦粉です。
犬の食物アレルギーの原因の中で、小麦は牛肉・乳製品と並ぶ「三大アレルゲン」とも言われています。
小麦アレルギー体質の犬がそうめんを食べると、かゆみ、皮膚の赤み、下痢、嘔吐、むくみ、呼吸困難、アナフィラキシーショックなど重大な症状を起こすことも。
「今まで大丈夫だった」犬でも突然発症するケースもあるため、初めて与える時はごく少量からにして、必ず異変がないか様子をよく観察してください。

注意点②:塩分(ナトリウム)の過剰摂取

そうめんは製造過程で塩が加えられているため、人間には適度な塩味でも、犬にとっては過剰な塩分になることがあります。
犬は人間のように大量の汗をかかないため、塩分を排出しにくく、心臓や腎臓への負担・高血圧リスクにもつながります。
特に「麺つゆをかける」「味付けをする」「ゆで汁をそのまま与える」といった与え方は絶対NGです。
与える際は必ず流水でしっかり洗い、ぬめりや塩分をできる限り落とすようにしましょう。

注意点③:カロリーの与えすぎ

そうめんは「軽そう」「低カロリー」に見えますが、乾麺100gで342~356kcal、ゆでた状態でも100gで約127kcalと意外にカロリーが高い食品です。
主成分は炭水化物(糖質)で、肥満や血糖値上昇のリスクがあるため、与えすぎは絶対にNG
特に体重管理が必要な犬や、運動量が少ない犬は、フードの量をしっかり減らしてカロリー調整することが重要です。

注意点④:腎臓病などの持病がある犬

腎臓病・心臓病など持病がある犬には、そうめんに含まれる塩分・カリウム・リンなどが体に負担をかけてしまうことがあります。
普段から処方食を与えている犬、獣医師から食事制限の指示がある犬には、そうめんは与えず、必ず主治医に相談しましょう。
高齢犬や病後の犬も消化・吸収能力が落ちているため、ほんの少量ずつ様子を見ながら与えるのがポイントです。

【量に注意】犬に与えても良いそうめんの適量は?

「そうめんをどれくらい与えていいの?」は飼い主さん共通の大きな疑問。
そうめんは主食ではなく、おやつや食事のトッピングとして「1日の必要摂取カロリーの10%以内」を守ることがポイントです。
与えすぎると肥満や栄養バランスの崩れ、塩分・糖質過多につながるため、必ず下記の目安量を参考にしましょう。
愛犬の運動量や体調、その日のごはんやおやつの内容も考慮しながら、少なめスタート→様子を見て調整が正解です。

1日あたりの茹でたそうめんの目安量

以下は「おやつ・間食として与えてよい上限量」の目安です。
与える前に必ずドッグフードや他のおやつのカロリーも計算し、そうめん分の主食を減らしてください

犬のサイズ(体重) 茹でたそうめんの目安量(1日あたり)
超小型犬(~4kg) 約10gまで
小型犬(~10kg) 約25gまで
中型犬(~25kg) 約50gまで
大型犬(25kg~) 約80gまで

(※これはあくまで目安量です。犬種、体質、活動量、年齢、健康状態などにより個体差がありますので、最初は少量から始めて様子をよく観察してください。)
また、たとえ目安量内であっても、食後に下痢や嘔吐、皮膚トラブルなどが出た場合はすぐ中止し、必要に応じて動物病院に相談しましょう。

犬にそうめんを安全に与えるための5つのルール

愛犬にそうめんを安心して楽しんでもらうためには、与え方のルールを守ることがとても大切です。
うっかりNGな方法で与えてしまうと、アレルギーや誤飲、消化不良など健康トラブルにつながることも。
ここでは絶対に守りたい5つのポイントを分かりやすく解説します。

ルール①:必ず茹で、流水でしっかり洗う

乾麺のそうめんは必ず茹でてから与えましょう
茹でたあとは、流水でよく洗い、ぬめりや塩分をしっかり取り除くことがとても大切です。
茹で汁には塩分やでんぷんが多く溶け出しているため、犬にとっては消化や腎臓への負担になることがあります。
ザルにあげて流水で「ギュッと揉み洗い」することで、余分な塩分や油分を落とし、食べやすく仕上がります。

ルール②:味付けは絶対にしない

めんつゆ・だし・塩・醤油などの味付けは犬にNGです。
特に麺つゆは塩分・糖分が高く、犬の健康に悪影響を与えるだけでなく、薬味のネギや生姜も中毒リスクがあります。
人間と同じ味付けで「ひと口だけ…」は絶対に避けて、「素のまま(茹でて水洗いしただけ)」で与えるのが安全です。

ルール③:喉に詰まらせないよう短くカットする

そうめんは細長い形状のため、丸呑みや誤飲のリスクがあります。
特に小型犬・子犬・シニア犬は喉に詰まりやすいため、必ず1~2cmほどの長さに短く刻んでから与えましょう。
まとめて飲み込んでしまわないよう、1本ずつつまんで食べさせたり、トッピングとしてフードに混ぜるのもおすすめです。

ルール④:乾麺のまま与えない

乾麺のままのそうめんは絶対に与えないでください
硬いままだと喉や消化管を傷つける可能性が高く、消化も悪いため下痢や嘔吐の原因になります。
また、細い麺が歯や歯茎に刺さったり、詰まったりすることもあるので、必ず茹でて柔らかくし、冷ましてから与えましょう。

ルール⑤:アレルギーがないか少量から試す

初めてそうめんを与えるときは、必ずごく少量から始めて、皮膚や便、体調に異変がないかしっかり観察しましょう。
食後にかゆがる・皮膚が赤くなる・下痢や嘔吐・元気がないなどの症状が出た場合は、すぐ中止し動物病院に相談を。
アレルギーがないと分かっている犬でも、与えすぎは肥満やバランスの乱れにつながるため、目安量を守って楽しんでください。

【簡単レシピ】愛犬が喜ぶ!夏バテ対策そうめん

暑い夏は愛犬の食欲が落ちやすい季節。
そんな時は、消化が良く、ひんやり食べやすいそうめんを使ったお手軽レシピで元気をサポートしましょう。
ここでは、トッピングやアレンジも楽しめる「犬のためのそうめんレシピ」をご紹介します。
主食やドッグフードの量を調整しつつ、おやつやご褒美メニューとして取り入れてください。

材料

・そうめん(ゆでて流水でしっかり洗い、1~2cmにカット)
・鶏ささみ(少量、茹でて細かく刻む)
・キャベツや人参などの野菜(少量、茹でて刻む)
・ささみの茹で汁(少量、無塩・無味で冷ましたもの)
(※愛犬の体重や体調に合わせて、そうめん・具材の量を調整しましょう。アレルギーのある犬は使う食材にご注意ください。)

作り方

1. ささみと野菜をやわらかく茹でて細かく刻みます。
2. そうめんもゆでて流水でよく洗い、ぬめりと塩分をしっかり落としてから短くカットします。
3. すべての材料を混ぜて、ささみの茹で汁を少量加え、香りづけと水分補給に活用。
4. お皿に盛り付けて完成です!

さっぱりとした口当たりで、夏バテ気味でも食べやすくなります。
野菜の甘みやささみの香りで食欲アップ!
主食の代わりにはせず、トッピングやおやつメニューとして活用しましょう。
食べ残しはすぐ冷蔵保存し、その日のうちに食べきってください。

犬のそうめんに関するQ&A

そうめんを犬に与えるとき、飼い主さんが気になる「よくある疑問」に獣医師監修で詳しくお答えします。
家族みんなで安心して“夏のそうめんタイム”を楽しめるよう、正しい知識を身につけましょう。

子犬や老犬に与えても大丈夫?

子犬や老犬も基本的にはそうめんを食べても大丈夫ですが、消化機能が未熟な子犬・衰えているシニア犬は特に注意が必要です。
そうめんは柔らかく消化しやすい一方で、炭水化物主体なので「おやつ・トッピング」としてごく少量からスタートし、必ず体調や便の様子を観察しましょう。
少しでも下痢や嘔吐、元気消失などの異変があれば、すぐ中止して獣医師に相談してください。
また、咀嚼力や飲み込む力が弱い犬には、そうめんを1~2cmの短さに刻み、水分と一緒に与えることで誤嚥・喉詰まり防止になります。

ひやむぎやうどんとの違いは?

そうめん・ひやむぎ・うどんの違いは「麺の太さ」です。
日本農林規格(JAS)では、1.3mm未満がそうめん、1.3mm以上1.7mm未満がひやむぎ、1.7mm以上がうどんとされています。
どの麺も主原料は小麦粉・水・塩なので、与えるときの注意点(アレルギー・カロリー・塩分・量の調整)はほぼ同じ。
ただし、ひやむぎやうどんはそうめんよりやや太く、長いままだと喉に詰まりやすいので、必ず短くカットしてから与えてください。

人間のそうめんと一緒に茹でてもいい?

人間用と犬用は必ず別の鍋・お湯で茹でましょう
人間用のそうめんには塩分が多く残り、味付けの麺つゆや薬味が混ざってしまうと、犬の健康リスク(塩分過多、中毒リスク)が高まります。
愛犬のそうめんは、無塩・無味で茹でて流水でしっかり洗い、短くカットして与えるのが鉄則です。
「一緒に食卓を囲む楽しみ」は安全第一で。

まとめ

今回は犬とそうめんの安全な付き合い方について、獣医師監修で詳しくご紹介しました。
そうめんは正しく与えれば犬も食べられる食品ですが、主食ではなく「おやつやトッピング」としてごく少量にとどめるのが安心です。
小麦アレルギーや肥満・持病のリスク、乾麺の誤食や塩分過多にも注意が必要。
必ず茹でて流水で洗い、味付けせず短くカットして、アレルギーがないか少量ずつ試すのがポイントです。

夏バテ対策や特別なおやつに、鶏ささみや野菜をトッピングした簡単レシピもおすすめ。
子犬や老犬でも体調や便の様子をよく観察しながら、家族みんなで楽しく“夏の思い出”を作ってください。

正しい知識と愛情で、愛犬の健康的な食生活をこれからもサポートしましょう

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