「犬=フワフワの毛並み」と思っていませんか?
実は世界には“グレーの肌”やスベスベ肌が個性的な「毛のない犬=ヘアレスドッグ」と呼ばれる犬種が存在します。
本記事では、その神秘的な魅力や種類、飼い方のポイント、さらには「グレーの肌」の謎まで、ヘアレスドッグのすべてを一気にご紹介!
新たな愛犬候補として唯一無二の存在感を放つ彼らの奥深い世界へ、ぜひご案内します。
毛のない犬(ヘアレスドッグ)とは?その神秘的な魅力
ヘアレスドッグ――その名の通り、ほとんど被毛を持たない、または体のごく一部にしか毛が生えない犬種の総称です。
世界で数百種以上ある犬種の中でも、毛のない犬はわずか7種類しか存在しません。
彼らの特徴は、むき出しの肌から感じられる体温の温かさと、骨格の美しさが際立つボディラインです。
独特の見た目だけでなく、アレルギー体質の人や抜け毛を気にする家庭にも注目されています。
「肌色グレー」「スベスベ」「少しピンク」など、見た目もとにかくユニーク。
被毛がほとんどないため、性格や体の健康状態、日々のケア方法にも普通の犬とは違う特別なポイントがたくさんあります。
古代から愛される「癒やしの犬」の歴史
ヘアレスドッグの歴史をひもとくと、数千年前の古代文明にたどり着きます。
例えば古代エジプトでは、無毛の犬は「神聖な存在」とされ、邪悪なものを遠ざけたり、温湿布や湯たんぽ代わりに人々の体を温める役割を担っていました。
また、南米やアフリカの文明でも珍重され、インカ帝国やアステカ文明などでは「聖なる犬」や「地の神の使い」として特別な儀式にも登場した記録が残っています。
強く高い体温を活かし、寒さの厳しい夜や病人の看病に寄り添う“癒やしの犬”として重宝された歴史は、現代にも語り継がれています。
このように、被毛のないユニークな体質は、単なる見た目だけでなく、人との深い絆を育んできた「歴史的遺産」でもあるのです。
なぜ毛が生えないの?遺伝的な理由と健康状態
「なぜ毛がないの?」と気になる方も多いはず。
ヘアレスドッグが生まれる背景には遺伝子の突然変異があります。
近年の研究で“FOXI3”という遺伝子の優性変異が、無毛犬の決定的な要因だと判明しています。
この遺伝子を片方の親から受け継ぐと、被毛が少ない、またはほぼゼロのヘアレスドッグとして誕生します。
被毛がない分、皮膚がむき出しになることで、体温が高くなりやすい、皮膚トラブルが起こりやすい、歯の本数が少ないなど、体質にもユニークな特徴が現れるのです。
また、完全に無毛というより「頭部・尾先・足先などごく一部だけ被毛」というタイプも多く、同じ犬種でも見た目が大きく異なることがあります。
ヘアレスドッグは、見た目の個性はもちろん、その誕生に至るまでの遺伝的メカニズムも非常に興味深い存在と言えるでしょう。

【一覧比較】世界に存在するヘアレスドッグ7種類の全貌
ヘアレスドッグは世界中でも本当に希少な存在です。
犬種登録数が700〜800種類と言われる中、実は毛のない犬種はわずか7種類だけ。
それぞれの犬種ごとに特徴や体型、性格、必要なケア、ルーツなどに個性的な違いがあり、同じ「無毛犬」でもまったく違う魅力を見せてくれます。
ここでは、世界のヘアレスドッグ7種類を1頭ずつたっぷりご紹介します!
写真で見ても分かるように、エレガントなタイプから筋肉質な子、まるで「小さな象さん」みたいなグレースキンまでバリエーション豊かです。
どの犬種も一生に一度は会ってみたい、唯一無二の存在感を放っています。
1. チャイニーズ・クレステッド・ドッグ
特徴:優雅な飾り毛と愛らしい性格
チャイニーズ・クレステッド・ドッグは、ヘアレスドッグの中で日本でもっとも知名度が高い犬種です。
ヘアレスタイプは、頭部・足先・尾に長い「飾り毛」があり、体はつるんとしたスキン。
同じ犬種でも、全身に長毛が生える「パウダーパフタイプ」も存在します。
性格は明るく、感受性が強い一方でちょっぴりシャイ。
家族や他の犬とも仲良くできるフレンドリーな一面と、繊細な心のバランスが絶妙です。
骨が細いため、ソファからのジャンプや段差には注意が必要。
基本データ(体高・体重・寿命)
オスの体高は28~33cm、メスは23~30cmと小型犬に分類されます。
体重はオス・メスともに5.5kg以下。
平均寿命は13~15歳と、比較的長寿な犬種です。
日本での飼いやすさと人気度
抜け毛が少なく、無駄吠えも控えめなため、マンションや賃貸住宅でも人気があります。
ただし、皮膚がデリケートなので、日々のスキンケアや紫外線・乾燥対策は欠かせません。
被毛がないぶん体温調節が苦手なため、寒い時期の防寒や夏場の紫外線ガードも大切です。
しつけやトレーニングも比較的入りやすく、初心者でも飼いやすいとされる一方、毎日の細やかなケアを楽しめる方に特におすすめの犬種です。
2. ショロイツクインツレ(メキシカン・ヘアレス・ドッグ)
特徴:古代アステカの守り神
ショロイツクインツレは「メキシカン・ヘアレス・ドッグ」とも呼ばれ、古代メキシコのアステカ文明で神聖な犬とされてきた歴史があります。
毛がほとんどなく、しなやかでつるんとした肌が特徴的。
温かな体温を利用して、昔は病人の湯たんぽ代わりにもされたとか。
大きな立ち耳としっぽ、幅広の胸、長い手足が印象的です。
成犬になるととても静かで落ち着いた性格になり、家族に忠実なガードドッグとしても活躍します。
基本データ(3つのサイズ分類)
この犬種は3つの大きさに分類されます。
スタンダード:体高46~60cm、体重9~14kg。
インターミディエイト:体高36~45cm、体重4.5~9kg。
ミニチュア:体高25~35cm、体重5kg。
平均寿命は13~18年と、非常に長寿なのも特徴です。
性格は忠実でガードドッグ向き
子犬時代はやんちゃですが、成犬になると非常に落ち着きが出て、家族への愛情と忠誠心が際立ちます。
警戒心が強いので、番犬としても最適。
抜け毛がほとんどないため、アレルギーが心配な家庭にも向いています。
一方で皮膚トラブルや関節疾患が起こりやすい体質でもあるので、体重管理やスキンケアに気を配れる方にぴったりです。
3. アメリカン・ヘアレス・テリア
特徴:唯一のテリア気質を持つ活発な犬種
アメリカン・ヘアレス・テリアは、アメリカ原産の唯一のテリア系ヘアレスドッグです。
1972年にアメリカン・ラット・テリアから突然変異で生まれた新しい犬種で、無毛の肌に加えてテリアらしい好奇心旺盛さや活発さが際立ちます。
パウダーパフタイプ(被毛タイプ)も存在しますが、無毛タイプの方が希少。
目が大きく、立ち耳の愛嬌たっぷりな顔立ちも人気の理由です。
基本データ(体高・体重・寿命)
平均体高は18~45.7cm、体重は2.5~12kg。
小型から中型まで個体差が大きく、ユニークな幅があります。
平均寿命は14~16歳と、健康管理次第で長生きも期待できます。
完全無毛の肌質と運動欲求
体全体がほぼ完全に無毛で、肌はなめらか。
皮膚が乾燥しやすいので保湿ケアが大切です。
性格はテリアらしく元気いっぱい、遊ぶのも大好き。
ただし水遊びが苦手な個体が多いため、川や海の近くでは注意を。
初めての方にはトレーニングに根気が必要ですが、家族の一員として明るく接してくれる、パワフルなパートナーです。
4. ペルービアン・ヘアレス・ドッグ
特徴:インカ帝国時代からの相棒
ペルービアン・ヘアレス・ドッグは、インカ帝国時代から存在する非常に歴史ある犬種です。
無毛のスムーススキンに、頭頂や尻尾などにごくわずかに毛が生える場合も。
毛色はブラック・グレー・ダークブラウン・ブロンドなど多彩で、体のどこかにピンク色の班がある個体も珍しくありません。
気品と快活さを備え、用心深い一方で愛情深く飼い主に忠実です。
基本データ(3つのサイズ分類)
小型:体高25~40cm、体重4~8kg。
中型:体高40~50cm、体重8~12kg。
大型:体高50~65cm、体重12~25kg。
平均寿命は11~12歳とされています。
デリケートだが愛情深い性格
皮膚が弱いため、保湿や日焼け止めなどスキンケアは必須。
温度変化にも敏感なので、冷暖房や犬用の服で体調管理が大切です。
日本国内での飼育頭数は非常に少なく、入手情報や飼育ノウハウの収集はやや難しいですが、家族に迎えると深い絆で結ばれるタイプの犬種です。
5. アルゼンティニアン・ヘアレス・ドッグ(ピラ・ドッグ)
特徴:遊び好きで長寿な傾向
アルゼンティニアン・ヘアレス・ドッグは、アルゼンチン原産で世界でも非常に希少なヘアレスドッグです。
被毛はほとんどなく、頭部や足先・尾の先に少しだけ毛が生える場合もあります。
柔らかい肌触りと温かな体温で飼い主に寄り添う、遊び好きで活発な一面も。
忠実で愛情深い反面、初対面の人にはやや警戒心を見せる傾向があります。
基本データ(体高・体重・寿命)
平均体高は25~45cm。
体重については記載がありませんが、体格は小〜中型。
寿命データは明確にはありませんが、健康に気を配れば比較的長生きする犬種です。
日本での希少性
アルゼンティン国内でも絶滅の危機にあるほど頭数が少なく、日本での飼育例は極めて珍しいです。
情報や飼育経験者を探すのも難しいため、初心者向きではありませんが、独自の魅力に惹かれる愛好家には憧れの存在です。
6. ヘアレス・カーラ(ボリビアン・ヘアレス・ドッグ)
特徴:サイトハウンドのような俊敏性
ヘアレス・カーラ(ボリビアン・ヘアレス・ドッグ)は、ボリビア原産で、スリムなボディと立ち耳、俊敏な動きが魅力の犬種です。
全身ほぼ無毛ですが、個体によっては頭部に白っぽい長毛が生えることも。
細身で足が長く、サイトハウンド(獲物を目で追う猟犬)の気質を持ちます。
飼い主や家族への愛情が深く、知性も高い犬種です。
基本データ(体高・体重・寿命)
メディオ(ポッタリータイプ):体高36~41cm、体重6.8~13.9kg。
グランデ(サイトハウンドタイプ):体高43~51cm、体重8~13.5kg。
平均寿命は10~14歳とされています。
警戒心と家族への愛情
警戒心が強い反面、家族にはとても忠実で愛情深いタイプ。
皮膚が非常にデリケートなので、日々のスキンケアと体温管理が必要です。
また、警戒心からしつけやトレーニングに少し工夫が必要な場合も。
歯の本数が少なめなので、食事内容にも配慮しましょう。
7. ペルービアン・インカ・オーキッド
特徴:花のように繊細で高貴な名前
ペルービアン・インカ・オーキッドは、世界最古の犬種の一つとされ、インカ帝国以前の時代から南米で大切にされてきました。
エレガントな細身ボディ、長い立ち耳、そして「蘭(オーキッド)」の名を持つ繊細なイメージが特徴です。
肌色は非常に薄く、ピンクの斑点や明るいグレーなどバリエーション豊か。
基本的に全身無毛で、まれに頭頂部に白い毛が生えている個体もいます。
基本データ(体高・体重・寿命)
小型:体高25~40cm、体重4〜8kg。
中型:体高40~50cm、体重8〜12kg。
大型:体高50~65cm、体重12〜25kg。
平均寿命は11~12歳です。
静かな環境を好む性格
ペルービアン・インカ・オーキッドは、飼い主や家族には献身的で愛情深い一方、警戒心や臆病な面も持っています。
サイトハウンドの気質を持つため、視力が優れ、活発に動くのも特徴。
運動量が多いので、毎日の散歩や遊びは必須です。
皮膚が非常に弱いため、スキンケア・日焼け止め・保湿などは欠かせません。
小動物に対する追いかけ本能が強いので、多頭飼育の場合は工夫が必要。
「毛のない犬 グレー」で検索される犬種の正体は?
ヘアレスドッグを検索するときに「グレーの肌」「ゾウみたいな色」などのキーワードがよく使われます。
これはヘアレスドッグの中でも特に目を引く、“グレー色”や“ピンクがかった肌色”を持つ犬種がいるためです。
毛がないことで肌色がそのまま見えるため、犬なのに象のような色や質感が楽しめる点がユニークな魅力となっています。
象のような「エレファント・グレー」の肌を持つ犬種
ヘアレスドッグの代表格であるショロイツクインツレやペルービアン・ヘアレス・ドッグなどは、まさに「エレファント・グレー」とも呼べる灰色や薄い黒色の肌を持つことが多いです。
このグレーの肌は、犬種固有の遺伝的特徴によるもので、実際に間近で見るとしっとりなめらか。
日差しや湿度、健康状態によって微妙に色合いが変わることもあり、ひと口に「グレー」といっても、濃淡や質感が個体ごとに違います。
飼い主にとってはこの“象さんカラー”がとても魅力的に映るポイントでもあり、写真映えも抜群。
ピンク、黒、ブチ模様など多様な皮膚のバリエーション
グレーの肌が有名ですが、実はヘアレスドッグの皮膚にはピンク・黒・茶色・ブチ模様などさまざまなバリエーションがあります。
例えば、ペルービアン・インカ・オーキッドは薄いピンク色に黒やグレーのスポットが入ることも多く、個性的な斑点模様が現れる場合も。
また、アルゼンティニアン・ヘアレス・ドッグやカーラにもピンク色のスポットや黒紫系の肌色が見られます。
こうした多彩な肌色がヘアレスドッグの「個体ごとの唯一無二の美しさ」をさらに際立たせています。
愛犬の“色”で唯一の存在感を楽しめるのも、毛のない犬ならではの醍醐味ですね。
季節や日焼けによって変化する肌の色
ヘアレスドッグの肌色は、なんと季節や日焼け、生活環境によって変化することがあります。
例えば夏は紫外線の影響で肌が少し濃い色になったり、冬になると明るいトーンに戻ることも。
また、保湿やスキンケアの状況、シャンプーや外遊びの頻度によっても色のニュアンスが変わる場合があります。
こうした肌色の“移り変わり”も、ヘアレスドッグと暮らす上での楽しみのひとつ。
大切なのは、日々の変化にしっかり気づいてあげることと、季節ごとに適切なスキンケアや紫外線対策を欠かさないことです。
ヘアレスドッグをより健康的に、そして魅力的に育てていくためにも、肌の色の変化を見逃さず愛情たっぷりにケアしてあげてください。
画像で確認したい!ヘアレスドッグならではの身体的特徴
ヘアレスドッグといえば、まず印象的なのがスベスベの肌や個性的な顔立ち。
ここでは「本当に犬?」と思ってしまうほどユニークな身体的特徴について、写真を想像しながらたっぷり解説します。
肌触り・耳のかたち・歯並びなど、飼ってみないと分からないリアルなポイントも網羅。
きっと、次にペットショップやSNSで見かけた時には、見方が変わるはず!
触り心地は?しっとり派とサラサラ派の違い
ヘアレスドッグの大きな魅力のひとつは、何といっても「触り心地」です。
ほとんどのヘアレスドッグは、肌がむき出しで「スベスベ」「しっとり」「温かい」と感じることが多いですが、犬種によって肌質に違いがあります。
例えばショロイツクインツレやペルービアン・ヘアレス・ドッグは、まるで高級なレザーやゾウの肌のようにしっとり滑らか。
一方、アメリカン・ヘアレス・テリアはさらさらとしたマットな肌触りが特徴です。
どちらのタイプも体温がダイレクトに伝わるので、抱っこするとほんのり温かく、思わずずっと撫でていたくなります。
季節やスキンケアによっても触り心地が変化しやすく、保湿ケアをしっかりすれば「しっとり&スベスベ感」がアップします。
乾燥しやすい時期は保湿クリームを塗ってあげることで、肌荒れやかゆみも予防できるので、毎日の“お手入れタイム”がスキンシップの時間になるのも嬉しいポイントです。
立ち耳?垂れ耳?犬種による顔立ちの違い
ヘアレスドッグは犬種によって顔の印象や耳のかたちが大きく異なります。
ショロイツクインツレやペルービアン・インカ・オーキッドは、長くてまっすぐ立った立ち耳が特徴的で、エレガントで知的な印象を与えます。
一方、チャイニーズ・クレステッド・ドッグは耳が立っているタイプと垂れ耳タイプがあり、飾り毛がフサフサと揺れる可憐なスタイル。
顔立ちも細面でシュッとした子が多く、個性的な見た目は写真映え抜群です。
また、アイラインのようなくっきりとした目元や、ピンクの肌に黒い斑点が入る子など、個体ごとに“自分だけの表情”を持っています。
こうした顔や耳のバリエーションも、ヘアレスドッグを愛でる大きな楽しみのひとつです。
「歯が少ない」って本当?ヘアレス特有の口腔事情
ヘアレスドッグを語る上で、意外と知られていないのが「歯の本数の少なさ」です。
ヘアレスドッグは、無毛を生じる遺伝子の影響で、先天的に歯が少なかったり、歯の形が独特な場合が多いのです。
特にアルゼンティニアン・ヘアレス・ドッグやカーラ、ペルービアン・ヘアレス・ドッグなどは、乳歯が生えそろわなかったり、永久歯の本数が少ない傾向にあります。
そのため、フードはあまり硬すぎないものを選び、噛みやすい食事内容を心がける必要があります。
歯の本数が少ないことで歯石がたまりやすかったり、口腔ケアに手間がかかる場合もあるため、日頃から歯磨きや口内チェックを習慣づけると良いでしょう。
健康的な毎日を送るためにも、「歯のケア」はヘアレスドッグとの暮らしの大事なポイントのひとつです。
飼う前に覚悟が必要!ヘアレスドッグ特有のお世話と注意点
ヘアレスドッグを家族に迎えるなら、見た目の珍しさや抜け毛の少なさだけでなく、毎日のお世話や気をつけたい健康管理についてしっかり理解しておくことがとても大切です。
ここでは、ヘアレスドッグならではのケアや、他の犬種にはない注意点をわかりやすく解説します。
これらのポイントを“楽しみながら”実践できる飼い主さんなら、ヘアレスドッグとの生活は最高のものになるはずです。
【スキンケア】保湿クリームと日焼け止めは必須
ヘアレスドッグは被毛がほとんどない分、皮膚が常にむき出し。
そのため、紫外線や乾燥、外部の刺激にとても敏感です。
日々のスキンケアとして犬用の保湿クリームやローションを使い、肌を守ることが必要不可欠。
特に外に出る際は、犬用の日焼け止めも忘れずに塗ってあげましょう。
乾燥の季節や空気が汚れやすい日には、ぬるま湯で体をやさしく拭いて清潔にし、皮膚の状態を観察するのも大事です。
シャンプーは月に1〜2回が適度。
洗いすぎは逆効果になることもあるため、シャンプー後の保湿ケアを徹底し、必要があれば部分的にドライヤーで優しく乾かしましょう。
毎日のスキンシップがそのまま健康チェックになるので、愛犬との絆もさらに深まります。
【温度管理】夏は紫外線、冬は極寒との戦い
ヘアレスドッグは体温調節が苦手です。
被毛がないことで、寒さにも暑さにもとても弱い傾向があります。
冬は犬用の服やヒーター、適切な室温で防寒対策を徹底しましょう。
外出時にはおしゃれなパーカーやニットなどを着せると、写真映えだけでなく健康維持にも役立ちます。
夏は直射日光や紫外線を避けることが大切です。
日中のお散歩はなるべく涼しい時間帯を選び、日陰や冷房の効いた室内を活用してください。
とくに薄いピンク色や白っぽい肌の個体は、紫外線に弱く日焼けしやすいので特に注意。
犬用のクールウェアやサンシェードなども活用して、オシャレと健康を両立しましょう。
【食事管理】皮膚の状態を左右するフード選び
ヘアレスドッグの健康管理でもうひとつ大事なのが、食事管理です。
無毛犬は皮膚がデリケートなので、皮膚や被毛の健康維持に配慮したフード選びがポイント。
オメガ3・オメガ6脂肪酸、良質なタンパク質、ビタミン、ミネラルをバランスよく含んだ総合栄養食が理想です。
また、歯が少ない個体が多いので硬すぎるドライフードやガム類は避け、ふやかすか小粒タイプ・ウェットタイプなどを選ぶと安心です。
アレルギーの心配がある場合や皮膚トラブルが続くときは、必ず獣医師に相談し、適切なフードを選んでください。
日々の食事で皮膚状態や健康が大きく左右されるため、毎日のごはんタイムも大切な「健康管理タイム」として楽しみましょう。
ヘアレスドッグはアレルギーの人でも飼える?
「毛のない犬ならアレルギーが出ない?」と気になる方も多いですが、実はヘアレスドッグには“アレルギーが完全に出ないとは限らない”という特徴があります。
抜け毛やフケは少なめですが、アレルギーの原因は被毛以外にもあるため、正しく理解しておきましょう。
ここではヘアレスドッグとアレルギーの関係、迎える前に知っておきたいポイントを丁寧に解説します。
抜け毛がない=アレルギーが出ないわけではない理由
ヘアレスドッグは抜け毛やフケが極端に少ないため、「犬アレルギーの人でも飼いやすい」と言われます。
実際、被毛によるアレルギー発症リスクは大幅に低減しますが、犬アレルギーの主な原因物質(アレルゲン)は皮脂・唾液・尿などにも含まれています。
そのため、完全にアレルギー反応が出ないわけではありません。
家族に強いアレルギー体質の方がいる場合は、事前に犬と触れ合う機会をつくり、専門医と相談しながら慎重に検討しましょう。
皮脂や唾液への反応を確認する方法
ヘアレスドッグを迎える前にぜひ行いたいのが、実際に犬とふれあってみてアレルギー反応を確認することです。
皮膚が露出しているため、皮脂の分泌がやや多い傾向にあり、これがアレルゲンとなる場合があります。
ブリーダーや保護団体に見学予約をし、実際に犬に触れたり、抱っこしたりしてみることで、自分や家族にどんな反応が出るかを確かめることが大切です。
とくに肌が敏感な方や、過去にペットでアレルギー症状が出た方は、事前に何度か接触テストをしておくと安心です。
掃除の手間は格段に減るメリット
ヘアレスドッグの最大のメリットは抜け毛がほぼないことです。
日々の掃除がとても楽になり、カーペットや衣服に毛がつくこともほとんどありません。
また、アレルギー対策として空気清浄機やこまめな拭き掃除だけで充分きれいな空間を保てるのも嬉しいポイント。
被毛のお手入れがいらないぶん、毎日のスキンケアや健康管理に集中できるため、愛犬とのコミュニケーションの質も高まります。
アレルギーが心配な方でも、丁寧に準備すればヘアレスドッグと楽しく健康的に暮らせるチャンスが広がります。
日本で毛のない犬を家族に迎える方法
「ヘアレスドッグを飼いたい!」と思っても、日本国内での流通は非常に希少です。
しかし諦める必要はありません。正しい情報収集と出会い方を知っておけば、世界でたった7種類の毛のない犬たちを家族に迎えるチャンスは十分にあります。
ここでは、ペットショップでの入手が難しい理由や、信頼できるブリーダーや保護団体を探すコツ、海外輸入の際の注意点など、最新事情をわかりやすくまとめます。
ペットショップでは出会えない?ブリーダー探しのコツ
ヘアレスドッグは日本のペットショップや一般的なブリーダーで取り扱いがほとんどありません。
そのため、専門ブリーダーや犬種団体を通じて探すのが基本です。
まず最初のステップは、ジャパンケネルクラブ(JKC)への問い合わせ。
JKCでは犬種ごとの登録・血統書管理や、専門犬舎の紹介も行っています。
また、「みんなのブリーダー」や犬種別ブリーダーサイトでは、各地のヘアレスドッグ専門家を検索することも可能です。
信頼できるブリーダーを見つけたら、直接見学や対面を申し込み、犬舎の衛生状態や親犬の健康・性格までじっくり確認しましょう。
希少犬種だからこそ、焦らず信頼関係を築いていくことがポイントです。
ジャパンケネルクラブ(JKC)への問い合わせ
JKC(ジャパンケネルクラブ)は、日本で公認犬種やブリーダー情報を管理している最大の組織です。
ヘアレスドッグを希望する場合、まずJKCの公式サイトから希望犬種の登録状況や認定ブリーダーの紹介について問い合わせてみましょう。
直接の譲渡が難しくても、犬種クラブや愛好会を通じて最新情報が得られることもあります。
専門ブリーダーサイトの活用(みんなのブリーダー等)
「みんなのブリーダー」など全国規模のブリーダー紹介サイトでは、犬種や地域を指定して希望のヘアレスドッグを探すことが可能です。
出産予定や譲渡可能な子犬が掲載されていることもあるので、気になる犬種が見つかったらまずは問い合わせを。
実際に犬舎を見学して、健康状態や飼育環境を自分の目で確認しましょう。
里親募集や保護犬として出会う可能性
ヘアレスドッグは珍しいですが、里親募集サイトや動物保護団体で新しい家族を探しているケースもごく稀にあります。
「ペットのおうち」や各自治体の動物愛護センター、NPO法人の保護活動グループなど、様々な里親募集情報をこまめにチェックしておくのがコツです。
また、SNSや犬種愛好会のネットワークから「保護犬情報」や譲渡会のお知らせが届くこともあるので、興味がある方は積極的に参加してみるとよいでしょう。
保護犬の譲渡は、譲渡前に面談やトライアル期間が設けられることが多く、じっくり相性を確かめながら家族に迎えられるのがメリットです。
海外からの輸入という選択肢とそのハードル
どうしても国内で見つからない場合は、海外からの輸入という選択肢もあります。
アメリカやヨーロッパにはヘアレスドッグの専門ブリーダーやクラブが存在し、輸入代行業者を通じて譲り受けることも可能です。
ただし、手続きや輸送費、検疫、健康証明などさまざまなハードルがあるため、事前準備は万全に。
また、現地ブリーダーとのやりとりやアフターケアのサポート体制についても慎重に調べましょう。
海外からの導入はコストも手間もかかりますが、本当に一生のパートナーと出会いたいという方には夢を叶えるチャンスにもなります。

まとめ:手間はかかるが唯一無二のパートナーになる
ここまで、世界でたった7種類だけの「毛のない犬」=ヘアレスドッグについて、魅力や歴史、個性あふれる身体的特徴、飼育のポイントまで、まるごと解説してきました。
フワフワの被毛を持たない代わりに、しっとりスベスベの肌やグレーの体色、象のようなユニークな存在感は、他の犬種にはない圧倒的な個性。
しかも、太古から神話や歴史のなかで人と深く結びつき、心と体の「癒やし」をもたらしてきた稀有なパートナーでもあります。
日々のお手入れ――スキンケアや紫外線・乾燥対策、温度管理――は少し大変ですが、それも愛情たっぷりのコミュニケーションタイム。
抜け毛の悩みが少なく、掃除もラクになる一方で、毎日の健康チェックや食事管理が大切です。
アレルギーが心配な方、個性的な犬を家族に迎えたい方、「世界に一頭だけ」の存在感を楽しみたい方――
ヘアレスドッグは手間をかけたぶん、かけがえのない唯一無二のパートナーになってくれるはず。
「グレーの肌」にも「愛情の深さ」にも、きっと毎日驚きと感動が待っています。
あなたも、神秘的なヘアレスドッグとの新しい暮らしに、一歩ふみ出してみませんか?

